ドイツのコンガテックは、「EdgeTech+ 2025」において、同社傘下のReal-Time Systemsが手掛けるハイパーバイザー「RTS Hyperviser」のデモ展示を行った。
ドイツのコンガテック(Congatec)は、「EdgeTech+ 2025」(2025年11月19〜21日、パシフィコ横浜)において、同社傘下のReal-Time Systemsが手掛けるハイパーバイザー「RTS Hyperviser」のデモ展示を行った。
RTS Hyperviserは、インテルやAMDなどのx86系マルチコアCPU向けのハイパーバイザーである。複数のリアルタイムOSやリアルタイムLinux、Windowsなどの汎用OSがそれぞれ制御する領域にプロセッサコアやメモリなどのリソースを排他的に割り当てるとともに、各OSの領域を完全に分離するのためのパーティショニングを行いつつ、OS間通信を行う機能などを備えている。
コンガテックはインテルCPU搭載のSOM(System on Module)である「COM」製品群を中核に、用途に合わせた冷却ソリューションやキャリアボードを組み合わせて提供する組み込みボードベンダーである。直近では、開発するシステムの集積化やリアルタイム制御機能の搭載といったニーズが強くなっており、RTS Hyperviserの需要も高まっている。「例えば、モーション制御とPLCはRTOS、ネットワークで連携するエッジサービスはリアルタイムLinux、HMI(Human Machine Interface)などのコンソールをWindowsで制御するのであれば、インテルCPUを搭載するCOMにRTS Hyperviserを組み合わせれば1台の機器に全ての機能を集約できる」(コンガテックの説明員)。
対応するLinuxとしては汎用OSとしての利用となるUbuntuやDebianの他、RT PreemptionやXenomaiなどのリアルタイムLinuxなどがある。また、コンガテックのCOMはボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)が提供するリアルタイムLinux「ctrlX OS」をサポートしておりRTS Hyperviserも対応している。
展示では、インテルのRaptor LakeベースのCPUを搭載するCOMとRTS Hyperviserを用いて、振り子の倒立制御をリアルタイムLinuxで、コンソール画面の制御をUbuntuで行うデモを披露した。「他社のハイパーバイザーと比べて安価な点も高い評価が得られている一因になっている」(同説明員)という。
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