アドバンテックは、パートナー向けイベント「2026 Advantech World Partner Conference(WPC)」において、エッジAIの開発から導入、運用までを統合的に管理するソリューション「WEDA」について説明した。
アドバンテックは2026年6月1日、パートナー向けイベント「2026 Advantech World Partner Conference(WPC)」(同月1〜3日、台湾台北市/新北市)の初日にエッジAI(人工知能)をテーマとするカンファレンスを開催し、エッジAI(人工知能)の開発から導入、運用までを統合的に管理するソリューション「WEDA(WISE-Edge Developer Architecture)」について説明した。
産業用PCで知られるアドバンテックだが、エッジAIを実現するためのハードウェアである組み込みボードや組み込みコンピュータでもグローバルリーダーのポジションにある。同社 President of Embedded SectorのMiller Chang氏は「エッジAI市場は2025からの10年間で年率23.8%で成長し、2034年には1966億米ドルまで拡大するという予測もある。この成長をけん引するのが、エッジAIの推論処理におけるさらなる低レイテンシやデータセキュリティ、リアルタイム性に対するニーズだ。ハードウェアが果たす役割は引き続き重要だが、エッジAI市場を占める割合としてソフトウェアやサービスが大きくなっていくだろう。そして、エッジAIの課題となっているのが、ハードウェアやソフトウェア、サービスなどを統合する際の複雑性とコストが増加していることだ」と語る。
アドバンテックは、エッジAIについて、ヒューマノイドや自動運転車など実世界の機器の自律的な制御にAIモデルを適用するフィジカルAIを実現するのに必要不可欠な技術に位置付けている。「ヒューマノイドであれば、エッジAIハードウェアに加えて、センサーや通信などの各種モジュール、そしてロボットアプリケーションを簡単に開発できる『Robotics Suite』なども提供している。これまでに15社以上のロボット開発プロジェクトに貢献してきた」(Chang氏)という。
アドバンテックがエッジAIを展開する上で強みになっているのが、顧客の要求に合わせてさまざまな半導体メーカーのプロセッサを搭載した製品を提案できることだ。x86系であればインテルとAMD、Arm系であればNVIDIA、クアルコム、NXP Semiconductors、Rockchip Electronicsなどから選択できる。その一方で、プロセッサの選択肢の多さは、それだけAIモデルの実装に掛かる手間が増えることにもつながる。
このように異なるプロセッサを扱うアドバンテックだからこそ、1つのアーキテクチャでエッジAIの開発や導入、運用を可能にするソリューションとして開発したのがWEDAだ。WEDAでは、クラウド上で開発したAIモデルをアドバンテックのハードウェアで組み込めるようにコーディングを行う「WEDA Code Agent」が中核的な役割を果たす。WEDA Code Agentは、開発したAIモデルの管理や運用を担う「WEDA Cloud」と、エッジAIハードウェアのプロトコルやデバイス統合、各プロセッサのランタイムなどをコンテナベースで提供する「WEDA Edge」と連携してコーディングを行う。なお、コーディングのプロセスは、NVIDIAのAIエージェントプラットフォームである「NVIDIA Nemo Claw」によって統合される。なお、WEDAを用いることでエッジAIアプリケーションの開発期間を80%削減できる可能性があるという。
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