明電舎は、ピュアオゾンガスと水蒸気を用いて化学反応性の高いOHラジカルを効率的に生成する技術を確立した。原子層堆積プロセスへ適用し、先端半導体用ゲート酸化膜の不純物を約100分の1に低減することに成功した。
明電舎は2026年6月23日、ピュアオゾンガスと水蒸気を用いて化学反応性の高いOH(水酸基)ラジカルを効率的に生成する新しい技術を確立したと発表した。本技術は、半導体の製造工程である原子層堆積(ALD)プロセスに適用することで、構成材料の品質向上に貢献する。
新技術は、オゾンの熱分解によって生成される原子状酸素と水蒸気を反応させ、活性酸素の一種であるOHラジカルを効率良く生成する。複雑な装置を必要とせず、温度制御のみで反応性種をコントロールできる点が強みだ。
本技術をALDプロセスに適用してゲート酸化膜の一種である酸化ハフニウム(HfO2)膜を形成したところ、従来のオゾンガスのみを用いた場合と比較して、膜内の炭素や窒素などの不純物を約100分の1に低減できた。これにより、リーク電流による半導体素子の誤動作や消費電力の増大を抑えるための絶縁特性向上が見込める。
本技術は150℃以上の温度域における半導体製造プロセスで利用可能だ。既存のALD装置に対しては、濃度80vol%以上の高濃度で純度が高いピュアオゾンガスを供給するピュアオゾンジェネレーターと、簡易なガス配管機構を追加するだけで導入できる。
近年のAI(人工知能)や高度情報処理の進展に伴い半導体の高性能化と高集積化が進む中、絶縁性を維持した薄膜化が課題となっていた。同社は今後、半導体デバイスへの適用検証を進めて量産プロセスへの導入を目指すほか、HfO2以外の先端半導体材料への応用も検討していく。
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