PFNとトヨタの研究組織がフィジカルAIの推論処理高速化に関する共同研究を開始人工知能ニュース

Preferred Networks(PFN)は、トヨタ未来創生センターと、開発中のAI半導体「MN-Core L」シリーズを用いたフィジカルAIの推論処理高速化に関する共同研究を開始した。従来品の50倍以上の帯域幅を目標に開発を進めている。

» 2026年06月22日 14時00分 公開
[MONOist]

 Preferred Networks(PFN)は2026年6月1日、トヨタ自動車の研究組織である未来創生センターと、大規模データを活用したフィジカルAI(人工知能)の研究開発において、開発中の推論向けAI半導体「MN-Core L」シリーズを用いた推論処理の高速化に関する共同研究を開始したと発表した。オンプレミス環境における生成AIの高速な推論処理を検証することで、ロボット分野などの研究開発を加速させる。

キャプション 「MN-Core L」シリーズの「MN-Core L1400」(モックアップ)[クリックで拡大] 出所:Preferred Networks

 MN-Core Lシリーズは、高速かつ低消費電力で生成AIの推論処理ができるよう設計されたアーキテクチャのAI半導体だ。従来品「MN-Core 2」の50倍以上の帯域幅を目標に開発を進めている。初期モデルとして、省電力版の「MN-Core L1100」と高性能版の「MN-Core L1400」の2種を2027年に発売する予定だ。

 同シリーズは、比較的安価で大容量のDRAMと、独自のMN-Coreアーキテクチャを持つロジック半導体を垂直に積層する構造を採る。一面に多数の電極を配置して接続することで、HBMを超える高帯域幅のメモリによる高速な推論と、低い消費電力を可能にした。

キャプション 独自のロジック半導体にDRAMを積層し一面に多数の電極を配置する「MN-Core L」シリーズ[クリックで拡大] 出所:Preferred Networks

 また、SRAMを主に用いるAI半導体よりもメモリ容量が大きいため、大規模なシステム構成を必要としない。一例として、700億パラメーターの大規模言語モデルの推論に必要なメモリ帯域幅とメモリ容量を、MN-Core L1400のカード1枚でまかなえる設計となっている。

 トヨタ未来創生センターでは、生活支援ロボット「HSR」を用いて多様な環境で収集した動作データの大規模学習を進めており、汎用的に適応できるロボット基盤モデルの共創研究に取り組んでいる。MN-Core Lシリーズ出荷後には、ロボットを実環境で動かして検証を行い、研究結果を2027年中に随時公開する予定だ。

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