Preferred Networks(PFN)、Rapidus、さくらインターネットの3社は、グリーン社会に貢献する国産AIインフラの提供に向けて基本合意を締結したと発表した。
Preferred Networks(PFN)、Rapidus、さくらインターネットの3社は2025年1月8日、グリーン社会に貢献する国産AI(人工知能)インフラの提供に向けて基本合意を締結したと発表した。
今回の基本合意では、PFNが今後新たに設計する省電力AIプロセッサ「MN-Coreシリーズ」の最先端モデルを、Rapidusの最先端ロジックラインで製造し、さくらインターネットが持つ生成AI向けクラウドサービスの開発における知見を組み合わせることでグリーン社会に貢献する国産AIインフラの整備につなげることを目指す。この国産AIインフラを起点に、国内のさまざまな事業者が運営するデータセンターでの採用に向けた展開を進め、日本における安定的かつ持続可能なAI技術の発展とグリーン社会の両立に貢献したい考えだ。
なお、MN-Coreシリーズの第1世代を搭載するPFNのスーパーコンピュータ「MN-3」は、省電力性能ランキング「Green500リスト」において、2020年6月、2021年6月、2021年11月の3回、トップに立った実績を持つ。その後もPFNは、第2世代となる「MN-Core 2」を開発するなど進化を続けている。
Rapidusは、世界でも最先端となる2nmプロセスのロジック半導体の製造を目指す工場「IIM-1」を北海道千歳市に建設中である。2025年3月末までには工場への装置搬入が完了し、パイロットラインの立ち上げを始める方針だ。
さくらインターネットは、日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」に採用されるなど、国産のクラウドサービスとしての事業展開を強化している。生成AI向けクラウドサービスも2023年6月に立ち上げ後、規模拡大を続けている。
生成AIなどのAI技術はさまざまな分野で活用が進んでおり、これからの社会/産業を支えるインフラ技術としてさらなる発展が見込まれている。こうしたAI技術の開発、社会実装には莫大な計算力が必要であり、継続的かつ安定的な計算力の拡大が不可欠だ。一方で、増加する電力消費量や、国際情勢の変化に伴う半導体サプライチェーンのリスクが大きな課題となっており、消費電力当たりの演算性能の高いAI半導体を国内で安定的に開発、製造、供給できる体制の構築が求められていた。
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