薬を使用した後、ごみとなる「おくすりシート」。これまで多くが焼却処理されてきたが、第一三共ヘルスケアとJFEエンジニアリングが再資源化の道の1つを開いた。
第一三共ヘルスケアとJFEエンジニアリングは2026年6月18日、錠剤やカプセルの包装に用いられる「おくすりシート(PTP包装)」などの使用済みプラスチックから、化学品原料となる合成ガスを生成する工程の実証試験を実施し、合成ガスの安定的な生成に成功したと発表した。
廃棄物処理分野では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、資源循環と温室効果ガス排出削減の両立が求められている。従来、医薬品包装として多く用いられるおくすりシートは、プラスチックとアルミニウムから成る複合資材であることから分離が難しく、これまで多くが焼却処理あるいは資源ごみとして回収された後にサーマルリサイクル(熱回収)により処理されてきた。
こうした中、JFEエンジニアリングでは、複合資材なども含む使用済みプラスチックについても、化学原料へ転換して再資源化するケミカルリサイクル技術の開発を進めていることから、おくすりシートのリサイクルにも適用可能であることを検証するため、今回の試験を実施した。
同試験では、使用済みのおくすりシートを回収/リサイクルする生活者参加型プログラム「おくすりシート リサイクルプログラム」で、第一三共ヘルスケアが一般消費者から集めたおくすりシートを含む使用済みプラスチックに対し、JFEエンジニアリングの廃棄物ガス化技術「C-PhoeniX Process(シーフェニックス プロセス)」を適用し、合成ガス(CO、CO2、H2)を生成した。
具体的には、JFEエンジニアリングが、使用済みプラスチックから合成ガスを経てプラスチック原料などへと再生する一連の廃棄物ケミカルリサイクルの確立を目指しているが、今回の試験はこのうち「廃プラスチック→合成ガス」工程を小ロットスケールで検証した。
なお、C-PhoeniX Processは、多様な廃棄物から水素と一酸化炭素を主成分とした精製合成ガスの安定生成が可能で、プラスチックやSAFの原料としての利用や水素源としての活用など、さまざまな「廃棄物ケミカルリサイクル(Waste-to-Chemical)プロセス」への適用が期待される。
今後は引き続き、回収量の増加にも対応し得る新たなリサイクルの選択肢として、より具体的な検証を進めるため、建設が予定されている大規模な廃棄物ガス化プラントにより、技術検証を重ねながら社会実装を目指す。
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