双日プラネットは、ドイツのEtimex製ポリプロピレン(PP)フィルム「Etimex Purelay Pharm」と「Etimex Purelay Lid」を組み合わせたPTP包装の展開を進めている。
プラスチック商社の双日プラネットは、「第26回 インターフェックス ジャパン−[医薬品][化粧品」製造展−」(2024年6月26〜28日、東京ビッグサイト)に出展し、バイオポリエチレン(PE)を配合したポリ塩化ビニール(PVC)ベースのPTPシート「Medi Green MGシリーズ」の他、ドイツのEtimex製ポリプロピレン(PP)フィルム「Etimex Purelay Pharm」と「Etimex Purelay Lid」を組み合わせたPTP包装を披露した。
Medi Green MGシリーズ、PVCシートでバイオPEシートを挟んだ構成のPTPシートで、成型性と高い生産性を維持するため基材にPVCを採用している。中間層のバイオPEシートには同社が国内総代理店を担うブラジルの石油化学メーカーであるBraskemのバイオPEを活用している。
同シリーズでは、「MGC-25C6」「MGC-20B4」「MGK-22B0」の3グレードをラインアップしている。MGC-25C6の厚みは250μmで、バイオマス度は25%以上だ。このPTPシートを採用した製品は日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークと日本有機資源協会のバイオマスマークを取得できる。防湿度(40℃・m2)は3.2g/m2・日だ。
MGC-20B4の厚みは200μmで、バイオマス度は10%以上だ。このPTPシートを採用した製品はバイオマスマークを取得できる。防湿度は4.1g/m2・日だ。MGC-25C6とMGC-20B4はPVCベースのため高速成型に対応する。MGK-22B0の厚みは220μmで、バイオマス度は10%以上。採用製品でバイオマスマークを取得でき、防湿度は0.9g/m2・日となる。構成は上から順に、PVC、バイオPE、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、PVCとなっており、PVDCを採用し高防湿を実現している。
Etimex Purelay PharmはPTP包装の表側の材料でEtimex Purelay Lidは裏側の材料となる。いずれも、印刷適正があり、高速成型に対応する他、特殊な加工が施されているため防湿性は0.8g/m2・日と通常のPPより高くなっている。厚みは表側で250〜800μ。両材料を組み合わせたPTP包装は、PPのみで構成されているためモノマテリアル化を実現でき、脱アルミ化に貢献する。薬剤の取り出し方法は従来品と同様のプッシュスルー(押し出し)方式に対応している。
双日プラネットの説明員は「Etimex Purelay PharmとEtimex Purelay Lidに関しては、海外では既に販売開始しており採用間近の製品もあるが、国内ではまだ販売していない。当社は両素材の国内販売代理店を務めている。加えて、サンエー化研に両素材の加工およびこれらを用いたPTP包装の生産を委託できる体制を構築している。このPTP包装は両素材によりモノマテル化を実現しておりリサイクル性が高いため、大手製薬メーカーから引き合いを得ている」と話す。
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