キャディは、製造業に従事する196人を対象に、東南アジアとのサプライチェーンに関する「パワー・アジア」の実態調査を実施し、その結果について発表した。
キャディは2026年6月16日、製造業に従事する196人を対象に、東南アジアとのサプライチェーンに関する「パワー・アジア」の実態調査を実施し、その結果について発表した。東南アジアのサプライチェーンリスクを「データで定量的に把握/管理できている」とした企業はわずか約1割にとどまり、約8割の企業がリスクをデータで捉えられていない実態が明らかになった。
2026年4月15日に、日本政府は東南アジア諸国との連携強化を目的とした総額約1.6兆円規模の枠組み「パワー・アジア(エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ)」を発表し、エネルギーや資源を含み、サプライチェーンにおける連携強化の方針を打ち出している。こうした政府の動きがある中、製造業の東南アジアでのサプライチェーンの状況はどうなっているのだろうか。
まず、政府が結んだ「パワー・アジア」についての認知度は、「内容まで理解している」が2.6%、「名前は知っている」が18.4%で、合計21%にとどまっている。「ほとんど知らない」が55.1%、「全く知らない」が24.0%であることから、浸透はほとんど進んでいないようだ。
その中で、「パワー・アジア」を含めた地政学リスク対応の枠組みの動きに対する自社サプライチェーンの対応力について聞いたところ、「十分対応できる体制がある」と回答した企業はわずか6.6%にとどまっている。「対応の方向性はあるが、データ/体制が追い付いていない」が26.5%と最も多くの回答を集めた。また、「対応が必要だとは思うが、何から手を付けてよいか分からない」が12.8%、「対応の必要性をあまり感じていない」が12.8%となっている。
中東情勢の悪化やエネルギー供給の不安定化が東南アジア経由のサプライチェーンに影響しているかをたずねたところ、「東南アジア経由で大きな影響が出ている」が4.1%、「東南アジア経由である程度影響が出ている」が24.5%となり、合計28.6%が影響を実感していると回答している。
一方で、「影響はあるが東南アジアとの関連は小さい」とした回答は32.1%、「ほとんど影響はない」が12.2%となっており、合計44.3%が影響は小さいと回答している。
また、東南アジアのサプライチェーンリスクをデータで把握できているかを聞いたところ、「データで定量的に把握/管理できている」と答えた企業は9.7%にとどまった。一方、「リスクは認識しているがデータでの把握はできていない」が23.5%、「リスクがあることは分かるが、どの程度かは不明」が28.1%、「分からない」が30.1%と、データによる定量把握ができていない企業が約8割を占めた。
ホルムズ海峡を巡る緊張は緩和に向かいつつあるが、今後同様の地政学的問題が世界各地で発生する可能性は高い。その中で製造業には「柔軟なサプライチェーンの構築」が求められ、そのためにはリスクも含めた幅広いデータ管理やデジタル活用が求められているが、現状では日本の製造業は、こうした体制を十分に整備できていない実態が明らかになった。
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