キャディは、中東情勢を巡るリスクに対し、日系製造業の78.2%が影響を受けている一方で約2割が対策を実施していないとする調査結果を発表した。意思決定プロセスの複雑さや遅さが、対応への最大の障壁となっている。
キャディは2026年5月19日、日系製造業に従事する駐在員や帰任経験者ら170社、188人を対象に実施した、グローバル連携における実態調査の結果を発表した。米国関税や中東情勢による地政学リスクが高まる中、中東情勢より何らかの影響を受けている企業は78.2%に達した。一方で、影響を受けながらも対策を講じていない企業が約2割存在し、組織内部における意思決定の遅さが迅速な対応を阻む要因として浮き彫りになった。
中東情勢がグローバル連携にもたらした具体的な影響としては、輸送や調達、在庫に伴うコストの増加を挙げた企業が55.3%で最多となった。次いで需給調整の困難化が27.7%、調達や物流の遅延増加が26.1%であり、複合的な課題が連鎖して現場に直撃している状況が示された。これに対し、コスト増加を経験した企業の14.4%、グローバル連携の課題全体でも19.1%が特に対策を講じていないと回答した。
対策を実施できていない最大の理由としては、意思決定プロセスが複雑、あるいは遅いという点が44.7%を占め、言語や文化によるコミュニケーションの違いの38.8%、人材やスキル不足の35.1%を上回った。外部環境の変動よりも、自社の組織構造がリスク対応への障壁となっている実態が確認された。
また、コスト増加に対する認識において、経営、管理層では74.5%が経験したと答えたのに対し、現場担当者では44.3%にとどまり、30ポイント以上の格差が生じている。リスク情報が組織全体へ適切に伝達されず、行動へ結び付いていない情報断絶の課題が顕在化した。
すでに何らかの対策を導入している企業における取り組みは、情報共有ルールの整備が39.9%、人材交流や駐在強化が30.3%であった。地政学リスクが常態化する環境において、製造業が競争力を維持するためには、リアルタイムな情報共有基盤の構築と、それに基づく組織の意思決定速度の向上が求められている。
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