今後はこれらの順調な引き合いに応える供給体制の整備を進めていくとともに、次世代製品の開発を進めていく。
供給体制については、日本に加え、北米完結型サプライチェーン構築を加速し、旺盛な需要に対応する。
国内においては、大阪工場の車載用のリチウムイオン電池ラインをAIデータセンター向けに転用し、2026年4月から出荷を開始した。また、2028年度にはリチウムイオン電池の生産能力を2025年度比で約3倍に増強する計画だ。さらに、BBUやCBU(Capacitor Backup Unit)などのモジュールの生産能力も増強する計画だ。「車載向けの電池セルからデータセンター向けの電池セルへの製造ラインへの切り替えは、電極構造が異なるためにそのまま使用することはできないが、短時間で行える」と只信氏は説明する。
北米については、カンザス工場でデータセンター向けのセルラインを導入する。これは2028年度に量産開始予定とする。さらに、モジュールの組み立てについてはメキシコ工場を増強する。第2工場で2026年度中に量産開始とする他、第3工場を設立し2027年度に量産開始する計画だ。さらに北米完結型のサプライチェーン構築にも取り組み、電源サプライヤーとの連携により北米調達比率を2028年度に50%以上に引き上げる計画を示している。
次世代製品の開発については、デバイスの進化とシステムの進化を掛け合わせ、新たなソリューションをタイムリーに提供していく考えだ。リチウムイオン電池については、現在セル出力80Wの製品を提供しているが、120Wの製品などラインアップを拡充。さらに200W以上の製品などの提供も計画する。パナソニック インダストリーと共同開発したCBUについても第1世代の提供を開始したが、新たに第2世代の製品開発も進めていく。また、高圧直流送電(HVDC)対応BBUを2026年度中に量産準備を行う。
これらの取り組みにより、データセンター向け蓄電池システムは2028年度には、2025年度比で約3倍となる売上高1兆円規模を目指す。さらに、HVDCを含む次世代プラットフォームによるさらなる成長を目指していく。只信氏は「車載向けに比べてAIデータセンター向けは投資規模も小さく迅速に行える。AI関連市場は変化が大きいが、そういう中でも追従できると考えている」と語っている。
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