フィジカルAIを拡大するためにCIセクターが取り組んでいるのが独自開発のエッジAI半導体である。
このエッジAI半導体は、最先端GPU比で10倍以上の電力効率を持つとともに、専用サーバ不要でリアルタイム解析が行えるので、さまざまな産業機械や産業ロボットを知能化できるという。網谷氏は「このエッジAI半導体を3つのアプローチで活用していく。1つ目は、グローバルトップクラスのプロダクトへの実装によるさらなる強化だ。2つ目は、協業パートナーのプロダクトに実装することによる協創の深化である。複数のプロダクトとデータの組み合わせによって顧客価値の拡大につなげられる。そして3つ目は、製造業である日立自身の製造プロセスを革新し、その実証結果を顧客に使っていただくカスタマーゼロの加速に活用する」と述べる。
このエッジAI半導体を含めて、フィジカルAI事業を拡大させるプロダクトの強化と知能化に向けて研究開発投資を増やす。2022〜2024年度の3年累計で2750億円だったのに対し、2025〜2027年度は約35%増の3750億円を計画している。計測技術の進化、エッジAI半導体の拡充やロボット自律化に向けた協業、データセンター用プロダクトの強化、グリーンプロダクトの拡大が主要な開発テーマとなる。
CIセクターは、2025年度の売上高3兆860億円のうち、ファシリティ、半導体、医療診断、医薬品製造の4領域が46%を占めている。今後は2030年度に向けて、売上高で年平均8〜10%の成長を目指すとともに、フィジカルAIによって成長を目指す4領域の売上高比率を60%まで高めたい考えだ。残りの40%は、次なるグローバルトッププロダクトの創生によって拡大するフィジカルAI事業が担うという見立てだ。想定する領域としては、データセンター、ロボティクス、アドバンストマテリアル、サーキュラーエコノミーを挙げる。網谷氏は「2030年度の売上高全てをフィジカルAI事業のみで構成することにより継続的な高成長と高収益を両立させたい」と強調する。なお、2026年4月に発表したノジマへの家電事業の譲渡は、フィジカルAI事業を軸としたポートフォリオ改革の一環となる。
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