日立製作所は、100%子会社の日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)の家電事業を新会社として分離するとともに、新会社株式の80.1%をノジマ傘下の特別目的会社に約1100億円で譲渡する契約を締結したと発表した。
日立製作所(以下、日立)は2026年4月21日、100%子会社の日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)の家電事業を新会社として分離するとともに、新会社株式の80.1%をノジマ傘下の特別目的会社に約1100億円で譲渡する契約を締結したと発表した。日立とノジマは、ノジマの特別目的会社が80.1%、日立GLSが19.9%出資する新会社の下で家電事業の新たな成長を目指す戦略的パートナーシップを構築する。
日立GLSの家電事業を分離した新会社の設立と併せて、日立ブランドの海外家電事業を新会社の傘下に戻すことを決めた。日立GLSとトルコのアルチェリク(Arcelik)は2021年7月、日立ブランドの海外家電事業を展開するAHHA(Arcelik Hitachi Home Appliances)を合弁で設立している。AHHAの出資比率はアルチェリク60%、日立GLS40%で、アルチェリクへの株式譲渡額は3億米ドル(当時の日本円換算で約315億円)となっていた。今回、日立GLSとアルチェリクは、アルチェリクが保有するAHHAの株式60%を譲り受ける契約を締結。このAHHAの株式60%は日立GLSの家電事業を分離した新会社に承継されるため、日立の国内と海外の家電事業の経営資源は新会社の下で1つにまとめられることになる。
新会社の社名は決まっていない。日立GLSからノジマへの新会社株式の譲渡は、競争法その他の法令などに基づき必要なクリアランス、許認可などの取得を経て、2027年3月期中に完了する予定である。
一方、日立GLSには、2024年7月にボッシュ(Robert Bosch)がジョンソンコントロールズ日立空調の買収を発表した際に移管する方針を示した、清水事業所(静岡市清水区)を中核とする業務用空調機器事業(以下、空調事業)が残ることになる。
この空調事業は、アーバンソリューション&サービスビジネスユニット(USBU)の中核事業として日立GLSが引き続き推進する。同じくUSBUに所属する、日立ビルシステムや日立パワーソリューションズとの連携により、次世代ソリューション「HMAX for Buildings」によるビルやファシリティにおける管理/エネルギーマネジメント/クーリングのサービス事業を一体として強化していくとしている。
日立 執行役専務で、日立GLSを統括するコネクティブインダストリーズセクターCEOの網谷憲晴氏は「家電事業の持続的な成長を実現していくため、ノジマの下で新会社を発足させることを決定した。ノジマによりマーケットおよび顧客の潜在ニーズをより速く理解し、日立が培ってきた『日本のモノづくり』と深く連携することで、両社の強みが融合し、日立ブランドの家電の製品価値がさらに高まっていくと確信している。資本再編完了後の日立GLSは、空調事業およびデジタルソリューションを中核とし、ビルシステム事業とエネルギー事業との連携により価値を最大化していく」と語る。
ノジマ 取締役兼代表執行役社長の野島廣司氏は「この度、ご縁があり、高い技術力と高品質な製品で長年愛されている日立ブランドをともに推進できることを大変光栄に思う。今回の提携は当社の強みである顧客接点と日立の高度な技術を融合させる新たな挑戦となる。ノジマの店舗で得られる『お客さまの声』を製品開発にダイレクトに反映し、製造から、アフターサービスまで循環させる体制を構築し、品質にこだわった製品をより多くの顧客に届けたいと考えている。このビジネスモデルにより、日本の製造業の強みである『高品質なモノづくり』と日立ブランドの信頼性を守り、次世代に継承していく」と述べている。
日立GLSの売却は既定路線、それならどの会社が買うのか
冷蔵庫を作り続けて80年、日立GLS栃木事業所の現在地
「混流」と「自動化」で冷蔵庫の生産効率を3割向上、リサイクルにも技術を反映
ボッシュが日立の空調合弁会社を買収、清水事業所はなぜ日立グループに残るのか
設計から見直し家電に再生プラを積極採用、日立GLSのサステナブル経営戦略
日立がCIセクターの体制を刷新、新たなセクターCEOにCOOの網谷憲晴氏が就任Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造マネジメントの記事ランキング
コーナーリンク