CIセクターは、フィジカルAIを強みとして成長を目指すため、2025年度に大きな成果を得たファシリティと半導体、ライフサイエンスを構成する医療診断と医薬品製造の4つの事業領域に注力する。それぞれの事業領域で、高いシェアや普及台数を誇るプロダクトであるデジタライズドアセットをベースに、フィジカルAIバリューを生み出すHMAXなどのデジタルサービスを組み合わせて、顧客/サービスを拡大することで市場平均を上回る成長の達成を目指す。
ファシリティは、グローバルトップクラスの65万台を市場に納入しているコネクテッド昇降機をはじめ、空調機器やデータセンター向けUPS(無停電電源装置)がデジタライズドアセットになる。フィジカルAIバリューを生み出すのは、「BuilMirai」ブランドで展開してきたビル運営の最適化ソリューション「HMAX for Builidings」などだ。昇降機のメンテナンス/オペレーションの効率化やファシリティ運用の最適化により、使用エネルギーを約16%削減、施設管理コストをビル1棟当たり3%改善できる効果があるという。顧客/サービス拡大では、三井不動産や野村不動産が主要顧客となっている他、2026年6月9日にはボッシュの空調事業会社であるBosch Home Comfort Groupとの業務用空調分野での協創を発表している。
ファシリティ領域における2025〜2030年の顧客市場の年平均成長率は12%。これに対して日立は年平均で16%の成長を目指す。
半導体は、グローバルシェア76%と圧倒的トップの測長SEMがデジタライズドアセットとなる。フィジカルAIバリューは、半導体製造の前工程の8割を占める成膜、露光、エッチング工程一体での生産最適化だ。IoT(モノのインターネット)統合プラットフォーム「ExTOPE」や計測/検査向けの保守支援AI、加工条件生成AI「Recipe AI」の活用によって不良発生を抑え、開発期間の半減や、稼働率を90%に維持もしくは向上するなどの成果が得られているという。顧客/サービス拡大では、主要顧客のサムスンと装置データ連携の協創を進めている他、2026年6月5日に発表したインテルとのAX(AIトランスフォーメーション)加速に向けた戦略的協業はこの半導体分野が主な対象となっている。
半導体領域における2025〜2030年の顧客市場の年平均成長率は13%。これに対して日立は年平均で15%の成長を目指す。
医療診断は、ロシュとの協業に基づきグローバル9万台以上を出荷している生化学/免疫分析装置と、サーモフィッシャーサイエンティフィックとの協業でグローバルシェアトップの遺伝子検査装置がデジタライズドアセットとなる。フィジカルAIバリューは、体外診断の8割を占める生化学/免疫分析装置、遺伝子検査装置、核酸抽出装置から得られる診断データをつなげて最適ながん治療などを可能にする「HMAX for Healthcare」を展開する。顧客/サービス拡大では、ロシュとサーモフィッシャーサイエンティフィックとの協創に加え、2026年1月に韓国の大手検査センターであるSeegene Medical Foundationと検体検査自動化の取り組みを発表している。
医療診断領域における2025〜2030年の顧客市場の年平均成長率は10%。これに対して日立は年平均で11%の成長を目指す。
医薬品製造は、2025年度の売上高は637億円と小さいものの、今後大きく成長することが期待される領域だ。デジタライズドアセットは、バイオ医薬品製造と関わる分光分析装置ち培養装置、これらを用いたラインビルドの能力になる。フィジカルAIバリューは、プロセス立ち上げを起点にラボからファブまでバイオ医薬品製造を一貫支援する「HMAX for Biopharma」だ。商用生産のスケールアップ期間を30%削減する効果などが見込まれている。顧客/サービス拡大では、第一三共と富士フイルムが主要顧客となっており、今後は日立と関わりを持つ約350社の医薬企業にHMAX for Biopharmaなどを提案していく考えだ。
医薬品製造領域における2025〜2030年の顧客市場の年平均成長率は10%。これに対して日立は年平均で17%の成長を目指す。
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