レアカードを狙う「サーチ行為」を防ぐ技術が登場――。TOPPANは、透けず、シワにならない「紙製」のトレーディングカード用ピロー包材を国内で初めて開発した。
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは2026年6月8日、国内で初めて(同社調べ)、トレーディングカード向けに遮光性のある紙製ピロー包材を開発したと発表した。国内外のトレーディングカードメーカーを対象にサンプル出荷を同月に開始する。
近年、国内のトレーディングカード市場は急速な拡大を続けており、2024年度の市場規模は2019年度比で約3倍の3000億円を突破した。アパレルブランドや飲食チェーンなどさまざまな業種や企業とのコラボレーションも増加しており、世代や国境を越えた文化として定着している。
一方、国内外で環境意識の高まりを受け、欧州を中心とした包装資材への規制強化や、CO2をはじめとした温室効果ガスの排出抑制への要求、脱プラスチックへの要求が活発化している。
これに伴い、グローバルに展開するトレーディングカードメーカーからも環境配慮設計が強く求められている。
しかし、トレーディングカードのパッケージに紙素材を採用するに当たっては、中身を確実に保護し、開封前にレアカードを判別されるサーチ行為を防ぐ高度な遮光性能の実現や、シワを抑えて成形する技術、高品質な生産体制の維持が重要なポイントとなっていた。
そこでTOPPANは、これまで培ってきた紙製パッケージの開発/生産技術を生かし、最適な素材選定と専用の製袋装置の開発を推進している。これにより、紙素材の弱点である中身の透けを防止するとともに、シワを低減し、高品質な紙製ピロー包材の安定供給体制を構築。そして、トレーディングカード向けに遮光性のある紙製ピロー包材を開発した。
一般的なプラスチック包材は、強度を保つ部材や接着用のシーラント層にプラスチック素材を組み合わせた材質構成になっているが、今回の製品は、ヒートシール性を有するコート層と紙素材のみから成る独自の材質構成により、プラスチック使用量ゼロを実現した。
同製品は紙重量比51%以上のため、国内においてパッケージに「紙マーク」を付与でき、企業の資源循環への取り組みを可視化して訴求可能だ。
加えて、紙素材にアルミ蒸着を施すことで、98%以上の高い遮光率を実現した。これにより、紙素材の弱点である中身の透けを遮断し、開封前に中身を判別できないようにすることで、レアカードのサーチ行為を防げる。
また、アルミ蒸着層の上に直接印刷を施す構造により、メタリックな質感を表現し、従来のプラスチック包材と同等の高いデザイン再現や鮮やかな発色を可能にした。
独自開発の専用製袋機では、紙製ピロー包材のシワを抑制し、かつ高速な折り込みを実現するために、折り込み部の治具の開発や送りだしローラーの改良を行った。同機の導入により、紙製素材の弱点であるシワの発生を低減し、高品質なパッケージの安定供給体制を構築した。2026年秋より専用ラインでの量産を開始する。
2026年秋の量産開始時点で年間3000万パックの供給体制を構築し、2030年までに関連受注含め10億円の売上高を目指す。
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