TOPPANは、製造時のCO2排出量や残留溶剤を削減できる「水性フレキソ印刷」と、耐光性があるインキを用いたパッケージを開発した。
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは2025年3月17日、製造時のCO2排出量や残留溶剤を削減できる「水性フレキソ印刷」と、耐光性があるインキを用いたパッケージを開発したと発表した。同パッケージは花王の衣料用洗剤「アタックZEROパーフェクトスティック 部屋干し」の外装に2025年3月に採用される。
水性フレキソ印刷は、溶剤をほとんど含まない水性インキを使用することで、油性グラビア印刷と比べて揮発性有機化合物(VOC)の排出量を減らし、CO2排出量も削減できる。水性フレキソ印刷の採用により、油性グラビア印刷を使用した場合と比べて、パッケージのCO2排出量を約7%減らせる。
TOPPANグループが連携し水性フレキソ印刷で使用可能な耐光性のインキを開発。この耐光性インキは経時による退色を抑えられ、流通のライフサイクルが長い製品でも、パッケージの印刷表現をより長く保てる。
国内外では、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが増えており、環境負荷を低減するパッケージに関心が集まっている。特にCO2排出量の削減に関しては各企業がKPIを設定して取り組む中、その削減に向けた取り組みとして、フィルムパッケージにおけるプラスチック使用量の削減や包装材料の変更などが行われている。
しかし、内容物保護などの機能性を備えるために、現状の材質構成から変更が難しい場合があった。そこでTOPPANは、従来の油性グラビア印刷を水性フレキソ印刷に変更することで、材質構成を変えることなく、CO2排出量の削減を実現した。
なお、同社ではこれまでパッケージのグラビア印刷ではパッケージ商品を美しく表現するため特色を使用した多色での印刷を行っていた。今回の水性フレキソ印刷では、見当精度に優れる特性を生かして、特色を使用せずに全ての色を再現することに取り組んでいる。
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