石屋製菓とTOPPANは、CO2排出量の削減などを目的に、環境に配慮した製造工程の構築に向けて協業を開始すると発表した。
石屋製菓(以下、ISHIYA)とTOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは2024年1月19日、CO2排出量の削減などを目的に、環境に配慮した製造工程の構築に向けて協業を開始すると発表した。
協業の第1弾として、ISHIYAとTOPPANが企画/開発した再生樹脂を使用したフィルムを菓子「白い恋人」の個包装に採用し、2024年2月から順次切り替える。同フィルムを使用することで、従来のフィルムを使用した時と比較し、新しい原材料のみを使用して製造されたバージンプラスチックの使用量を年間約40トン(t)、CO2の排出量を年間約46t削減する見込みだ。
また、インクの一部には植物由来原料を使用する。白い恋人のパッケージには、既に森林認証紙を使用した化粧箱、バイオマス素材を主原料としたトレー、紙素材のシールを採用しており、高い環境適性を持つ部材が使われている。
なお、TOPPANは今後、同フィルムをISHIYA以外のさまざまな業界に向けて提供を進め、持続可能な社会の実現に貢献していく。
ISHIYAでは、TOPPANが2022年から提供している工場全体の監視システム「e-Platch(イープラッチ)」を、宮の沢工場(札幌市西区)の製造工程で使用して、各種設備のエネルギーを管理する実証を2023年6〜9月まで行っていた。
この実証では、通信電波の通じにくい工場内でも、低消費電力/長距離通信を実現するLPWA通信「ZETA」を活用することで、保守管理のデジタル化/省人化に一定の効果が見られることが分った。今後は同実証の成果を踏まえ、ISHIYAが製造工程で工程別に行う省エネ活動の効果を見える化する他、エネルギー使用量の変動要因を分析する予定だ。
また、両社は、適切に管理された森林とその他で管理された供給源からの原材料を用いて製造された森林認証紙を活用したパッケージの共同開発を進める。先行して白い恋人や菓子「チョコレートタブレット」など一部製品で活用を進めているが、今後はさらに幅広い製品で採用していく。
今後は、今回の協業に基づく取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に向けて、環境配慮型の製造工程の構築を進める。
ISHIYAは、企業理念「しあわせをつくるお菓子」のもと、「100年先も、北海道に愛される会社へ」という長期ビジョンを掲げ、環境貢献活動を推進している。
一方、TOPPANは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「SX(サステナブルトランスフォーメーション)」によって、企業価値最大化に向けた取り組みを加速させている。この基本方針の下、重点施策の1つとして「環境」への取り組みを掲げ、同社はもちろん、さまざまな企業の持続可能な事業活動を支援している。
そこで、両社は、ISHIYAの製造工程全体におけるCO2排出量の削減を目的に、環境に配慮した製造工程を共同で構築するとともに、製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量削減に貢献することを目指して、協業を開始した。
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