凸版印刷は、透明バリアフィルム「GL BARRIER」の生産工場をチェコに新設する。稼働開始は2024年末の予定。優れた環境適性を備える同バリアフィルムの能力増強により、欧州市場における環境配慮型パッケージの需要拡大に対応する。
凸版印刷は2023年3月17日、透明バリアフィルム「GL BARRIER」の生産工場をチェコに新設すると発表した。2024年末の稼働開始を予定している。
GL BARRIERは、世界最高レベルのバリア性能を持つ透明バリアフィルム「GL FILM」を軸とした、凸版印刷の総合バリア製品ブランド。同社独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造のバリアフィルムで、パッケージの脱アルミ化やモノマテリアル化の推進などに貢献する優れた環境適性を備える。
循環型社会の実現に向けて、世界のパッケージ市場では、環境配慮型パッケージが求められている。特に、環境先進国の欧州諸国では、環境適性やリサイクル性能に優れたパッケージの需要が急速に拡大。欧州委員会はパッケージ事業者に対して、2030年1月までに、原則として全てのパッケージを再資源化できる設計にすることを義務付ける規制などを検討している。
このような市場動向を踏まえ、同社は、新工場をチェコに開設することで、欧州のパッケージ事業者向けに、GL BARRIERの供給能力を拡大する。また、日本やアメリカの「TOPPAN USA ジョージア工場」で、GL BARRIERの日米欧3拠点生産体制を確立。これにより、さまざまなリスクを分散して事業継続性を向上させる他、地産地消型のサプライチェーンを構築する。
凸版印刷は今後、GL BARRIERのグローバル展開を加速し、2025年度までに海外パッケージ関連事業で売上高1500億円を目指す。
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