凸版印刷は、「第15回国際カーエレクトロニクス技術展」において、自動車のサンルーフやリアガラス向けに開発した液晶調光フィルム「LC MAGIC」の新グレード「ノーマルブラック」を披露した。
凸版印刷は、「第15回国際カーエレクトロニクス技術展」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)において、自動車のサンルーフやリアガラス向けに開発した液晶調光フィルム「LC MAGIC」の新グレード「ノーマルブラック」を披露した。2023年度末をめどに量産技術を確立し、2024年度にはサンプル出荷を始める計画である。
LC MAGICは、2016年から建材向けで採用されるなど市場採用実績を積み重ねきた液晶調光フィルムである。電源オン時に透明/オフ時に不透明になる「ノーマルホワイト」と、電源オン時に不透明、オフ時に透明になる「リバースホワイト」をラインアップしており、車載向けでも提案してきた。
今回展示したノーマルブラックは、電源オン時に透明/オフ時に不透明になる液晶調光フィルムだが、通電しない電源オフ時に95%の可視光を遮蔽(しゃへい)する黒色となる点が異なる。ノーマルホワイト、リバースホワイトとも、不透明な時の色は白濁色であり、自動車ガラスとしての質感にマッチしづらいことが課題だった。
ノーマルブラックでは、層構造内に色素をランダムに配置させることで「透けない黒色」を実現した。その一方で、電源オン時の可視光透過率は最大43%で、一般的な乗用車のリアガラスの標準仕様と同等を確保している。液晶を用いた調光シートの最大の特徴である応答速度も0.5sと短い。その他の仕様は、厚さ12mm、最大寸法1450×3000mmで、消費電力5W/m2、駆動電圧AC40〜80V、動作温度−20〜90℃となっている。
展示では、サンルーフをイメージして、太陽光を模擬したライトをしっかりと遮光できることを示していた。
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