凸版印刷は、超臨界流体を活用し、従来品より約30%薄くした「超薄肉射出成形容器」を開発した。これまで難しかった0.35mm厚までの成形や、生分解性樹脂、バイオマスポリエチレンなどの環境対応樹脂の成型が可能になる。
凸版印刷は2021年2月24日、超臨界流体を活用し、従来品より約30%薄くした「超薄肉射出成形容器」を発表した。同日より、食品メーカーやトイレタリーメーカー向けのサンプル提供を開始し、2025年度までに関連事業を含めて約10億円の売り上げを目指す。
気体と液体の両方の性質を有する超臨界流体を溶融樹脂に溶解させ、プラスチック樹脂を射出成形金型の隅々まで行き渡らせることで、0.35mm厚までの成形に対応。通常の射出成形品は0.5mm厚だが、約30%の薄肉化に成功した。これにより、プラスチック使用量を約30%削減できる。
また、従来の強度を維持しつつ、シート成形品に近い肉厚設定が可能だ。設計の自由度も高く、丸型、角型など、用途に合わせてさまざまな形状の成形に対応する。金型内部での樹脂の流動性が向上するため、成形自体が困難だった生分解性樹脂やバイオマスポリエチレンなどの環境対応樹脂も利用できる。
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