VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
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» 2022年02月22日 06時30分 公開

メタバースをビジネス用途で、誰でも簡単にワールドを構築できるサービス製造業メタバース

凸版印刷はビジネス用途向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」を発表した。メタバース内に現実世界の色や質感を忠実に再現する“真正性”を追求するとともに、ビジネス利用に必要となる各種構成要素のデータ管理機能や改ざん対策に加え、アバターの本人認証と安全なコミュニケーションをワンストップで提供する。

[八木沢篤,MONOist]

 凸版印刷は2022年2月21日、ビジネス用途向けメタバースサービス基盤「MiraVerse(ミラバース)」の提供を同年4月から開始すると発表した。

 メタバースとは、オンライン上に構築された3Dの仮想空間、あるいはそのサービスのことで、例えば、現実世界を忠実に模した仮想空間の中に没入して、場所や時間といった制約にしばられることなく第三者と交流したり、共同作業を行ったりすることが可能な、新たなコミュニケーションフィールドとして注目を集めている。一方、ビジネスや産業用途でのメタバース活用については、情報の品質管理やセキュリティの面で課題も多く、発展途上の段階にあるといえる。

 同社が提供開始するMiraVerseは、メタバース内に現実世界の色や質感を忠実に再現する“真正性”を追求するとともに、ビジネス利用に必要となる各種構成要素のデータ管理機能や改ざん対策に加えて、アバターの本人認証と安全なコミュニケーションをワンストップで提供するサービスだ。これまで、メタバースのワールドを構築するには高い専門性が必要だったが、MiraVerseを用いることで誰でも簡単に、再現性が高く信頼性のある仮想空間を作り上げることができるという。

ビジネス用途向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」の展開イメージ ビジネス用途向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」の展開イメージ[クリックで拡大] 出所:凸版印刷

 MiraVerseの主な用途としては、企業のショールームなど正確な商品情報に基づく顧客の購入意思決定の支援(プロモーション)、リアルタイムシミュレーションを使った設計やデザインなどの協調作業(製造/設計)、距離や身体的な制約を超越した新たな芸術鑑賞体験(教育/文化/観光)などが挙げられる。同社は、さまざまな企業や団体にMiraVerseの提供を進め、関連受注を含めて2025年度に100億円の売上高を目指すとしている。

ビジネス用途でも手軽かつ安心してメタバースを活用

 MiraVerseの特長は大きく3つある。1つ目は「現実空間を正確に取り込んだ臨場感のあるメタバースワールドの構築」だ。設計図や3D計測/色彩計測などを活用してあらゆるものを正確に3Dデータ化し、4K/8Kの高精細・低遅延なオリジナルレンダリングエンジンと組み合わせることで、真正性を追求した仮想空間を構築できる。また、質感計測技術を活用し、インテリアなどの風合いを忠実に再現することも可能だという。

「MiraVerse」を用いたバーチャル住宅展示場のイメージ 「MiraVerse」を用いたバーチャル住宅展示場のイメージ[クリックで拡大] 出所:凸版印刷

 2つ目は「ユーザーによる自由なワールド構築とデータ管理」だ。MiraVerseでは現実世界をそのまま取り込むだけでなく、アイデアや試作段階の実在しないものを含め、さまざまなデータなどを組み合わせて、ユーザーが自在にメタバースワールドを構築できる。さらに、API(Application Programming Interface)を活用することで外部システムと連携したサービスの構築も容易に行える。データ管理については、MiraVerseで扱われる全ての情報は高いセキュリティ性を担保したクラウド上で一元管理され、ビジネス用途でも安心して利用可能だとする。

 そして、3つ目の特長が「安全/安心なユーザー間コミュニケーションの実現」である。メタバース内におけるユーザー自身の分身となるアバターに関しては、同社が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT(アバテクト)」と連携し、アバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュアな連携機能を提供する。これにより、なりすましを防止し、信頼できる相手との安全/安心なコミュニケーションを実現。機密性を有する共同作業から、多数に向けたプロモーションや大型イベントまで、ワールドごとの用途に適したセキュリティ環境を提供するとしている。

 MiraVerseの初期データ登録料は1空間当たり500万円〜で、スペース利用料は月間50万円〜となる(いずれもキャンペーン価格、構築規模に応じて価格は変動)。

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