パナソニックは、中部電力ミライズと共同で電力需給の最適化に応じて冷蔵庫の稼働を自動で制御する「デマンドレスポンス自動運転サービス」を開発し、同機能を搭載した冷蔵庫を発売する。
パナソニックは2026年4月15日、中部電力ミライズと共同で電力需給の最適化に応じて冷蔵庫の稼働を自動で制御する「デマンドレスポンス自動運転サービス」を開発し、同機能を搭載した冷蔵庫を発売すると発表した。
デマンドレスポンス(DR)は、電力需給状況に応じて電力消費者に電気の使用量を調整してもらう取り組みや仕組みのことだ。電力供給を安定的に運用するためには、電気を発電する量(供給)と消費量(需要)を瞬間ごとに一致させる「同時同量」を維持できなければならない。
デマンドレスポンスでは従来、電力会社の要請に応じて電力使用を抑制する「下げDR」が注目されてきたが、最近は天候など環境条件に応じて変動の大きい再生可能エネルギーが増えていることから、電力使用を増やす「上げDR」の両面が重視されている。
こうした背景を受け、パナソニックでは、家庭内での消費電力量の割合が高く、かつ常時通電している冷蔵庫に着目し、中部電力ミライズとの共同実証の結果を踏まえて、電力会社からの要請に応じて稼働を自動制御するデマンドレスポンス機能搭載の冷蔵庫を開発し、「WXタイプ」と「HYタイプ」の2シリーズを、2026年4月下旬から順次販売する。
専用アプリで設定すると、下げDR時は事前に庫内を冷やすことで要請時間にコンプレッサーを停止して電力使用を抑制する。一方で、上げDR時には扉の開閉が少ない夜間などに実施するケースが多い霜取り運転のタイミングを変更して要請時間に電力を使用するなど、庫内の食品への影響を抑えながら中部電力ミライズからのDR要請に応じて冷蔵庫の稼働状況を自動制御する。従来のデマンドレスポンスは、エンドユーザーが自身の手でスイッチのオン/オフを行うなどの手間が発生していたが、機器の自動制御により手間なく環境貢献が行える。
この冷蔵庫のデマンドレスポンス自動運転サービスは、まずは中部電力の電力利用者で、パナソニックのデマンドレスポンス対応冷蔵庫の購入者を対象とする。2026年4月15日から申し込み受付を開始する。家庭用冷蔵庫を活用したデマンドレスポンスサービスは日本初(パナソニック調べ)だという。
パナソニックと中部電力ミライズの協業で、これらのサービス構築を進めた理由について、パナソニック 冷蔵庫事業部 副事業部長の樋上和也氏は「家電製品の中でも冷蔵庫は常時通電しており、機器制御による自動運転デマンドレスポンスが効果的だと考えていた。その中で家庭用のデマンドレスポンスサービスを中部電力ミライズさんが先行して展開していたことから一緒に普及させるために協力できないかと打診した」と経緯を説明する。
共同での実証を進めたことで、実際に下げDR、上げDRともに着実な実績を確認できた他、自動制御であってもデマンドレスポンスへの対応を知らせることで行動誘因にもつながり効果を高められることが確認できたという。「自動制御で行う場合、人に知らせる必要はないが、知らせる音を鳴らすようにすると、機器の自動制御に加え、行動誘因にもつながり大きな効果を得られることなども分かった」と樋口氏は述べる。
また、エンドユーザーにとっては、デマンドレスポンスに協力することで、電気料金が増える可能性もあるが、それでもメリットが出せるように、中部電力ミライズが新たにポイントサービス「NACHARGE Link KADEN」を開始し、貢献に合わせたポイント付与を行う。「場合によっては電気料金が増額するケースもあるかもしれないが、できる限り貢献いただいたエンドユーザーには経済メリットも感じてもらえるようなサービス設計を行っている。使い方にもよるが、冷蔵庫1台当たり800〜900円分のポイントを付与できる見込みだ」と中部電力ミライズ 執行役員 サステナブル社会推進本部長の臼井太郎氏は説明する。
パナソニックでは今後、2027年度までにデマンドレスポンス対応冷蔵庫購入者の50%がサービスに加入するように促していくとしている。「現状では、中部電力の電力利用者に限られるが、今後他の電力会社とも連携を進めていく」(樋口氏)としている。また、冷蔵庫でデマンドレスポンス対応機種の拡大にも取り組んでいく。
パナソニック 冷蔵庫事業部 商品企画・マーケティング部 部長の宗形彩加氏は「デマンドレスポンス対応冷蔵庫はIoT(モノのインターネット)機能を使うため、IoT対応冷蔵庫は基本的にデマンドレスポンスにも対応できるようにする。過去のIoT対応冷蔵庫についてもデマンドレスポンス対応を広げる考えはあるが、まだどういうやり方で進めるかは決めていない」と説明している。
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