福井大学とセーレンは、超小型衛星「FUSION-1」に搭載したエッジコンピューティング技術を用い、時系列予測に基づく自律観測実験に成功した。衛星自らが電力状態を予測して運用を判断する仕組みを実証した。
福井大学とセーレンは2026年3月17日、共同開発したエッジコンピューティング技術を超小型衛星「FUSION-1」に搭載し、軌道上での自律観測に成功したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業として実施されたもので、衛星が電力などの将来状態を予測し、地上の運用管制局による操作を介さずに観測計画を動的に再構成する仕組みを宇宙空間で実証した。
本研究では、統計的時系列解析モデル「SARIMA」を適用し、発生電力やバッテリー電圧などの時系列データを用いて、数時間から数日先の状態を予測するアルゴリズムを構築した。衛星内部で観測の可否を自律判断することで、リソースの限られた超小型衛星の運用効率を大幅に向上させる。また、オンボードでの画像処理や画質評価機能を統合し、有効なデータのみを選別して地上へ送信する効率的なデータ運用も確認した。
地上側との連携においては、大規模言語モデル(LLM)を用いてニュース記事から災害などの関心地域を抽出するソフトウェアを福井テレビジョン放送と開発。抽出された位置情報は、アークエッジ・スペースが開発したIoT(モノのインターネット)低電力通信機を通じて衛星へ伝送される。さらに、福井工業大学あわら宇宙センターのアンテナによる自動追尾機能を活用することで、地上側の運用負荷を最小化した一連の自律観測フローを確立した。
今回の成果は、多数の衛星による協調観測や迅速な災害対応を可能にする技術基盤となる。福井大学は今後、予測アルゴリズムの高度化や対象パラメーターの拡張を進め、衛星システムの高度自律化と宇宙技術の社会実装を加速させるとしている。
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