この課題に対して、日立製作所はさまざまな素材の絶縁抵抗やガス透過度などの特性を個別に測定/評価し、その結果を積み上げながら最適な材料構成を導出した。この絶縁配管は主に、エチレンビニールアルコール共重合体(EVOH)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、高密度ポリエチレン(HDPE)で構成される。
大原氏は「EVOHは水素ガスバリア性で、GFRPは耐圧性/機械強度で、HDPEは耐食性/イオンの溶出防止で効果を発揮する」と説明した。
同配管はこれらの材料を組み合わせることで、従来のセラミック製配管では難しかった高い絶縁性と機械的強度を実現し、10kV級の高電圧環境でも安全に使用できる。
同社はこの絶縁配管の性能を確かめるために、高電圧水素製造システムの実証機に搭載し、試験を行った。同試験では、配管部分に10kVの電圧を加えるとともに、水素ガスや水が混在する実際の運用環境を模擬して、絶縁破壊や漏えいなどの異常が発生しないことを確かめた。
今後は、同配管の耐久性や長期信頼性の評価を進め、安全性や信頼性を実現した水電解システムの開発につなげていく。
鈴木氏は「次のステップとして、高電圧水素製造システムの絶縁性能やシステム全体での運用について、MWクラスの実証機で検証していく予定だ。その後、2020年代後半にMWクラスの高電圧水素製造システムの社会実装を目指す。さらに、大型の高電圧水素製造システムに関しては2030年以降に実証する見込みだ。続いて、100MWクラスの社会実装を行っていきたい。この他に、当社は電力系統の需給調整の支援機能も開発している。この機能も当社の高電圧水素製造システムに組み込んでいくとともに、電気技術や制御/運用技術の知見を生かした予兆保全サービスも展開していく見通しだ」と展望を明かした。
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