倉本産業は、「新機能性材料展 2026」で、開発品としてバックグラインドシート「X4813A」や低誘電粘着シート「X5839A」を披露した。
倉本産業は、「新機能性材料展 2026」(会期:2026年1月28〜30日、会場:東京ビッグサイト)に出展し、開発品としてバックグラインドシート「X4813A」や低誘電粘着シート「X5839A」を披露した。
X4813Aは、半導体製造工程で使用可能な紫外線(UV)硬化タイプで、厚みが100μmのPETフィルムや200μmの特殊樹脂、20μmのUV硬化粘着剤、剥離フィルムで構成される。同シートは、UVを照射することでUV硬化粘着剤の粘着力が低下するため、粘着剤ののりを残さず剥がせる。特殊樹脂層は厚くても凝集性があり、加工性に優れる。表面の微小凹凸部分へ追従する。
同社の説明員は「X4813Aは、ウエハー表面の回路の凹凸に対し、200μmという厚膜の特殊樹脂層がしっかり密着する。一般的に樹脂は厚く/柔らかくすると、加工時にのりがはみ出す問題が生じる。一方、X4813Aは、独自の樹脂設計により、『厚くて柔らかいのに、のりのはみ出しが少なく加工性が良い』という特性を実現している」と述べた。同社では現在、顧客の評価用としてX4813Aの開発品を展開している。
X5839Aは、5Gや6Gといった次世代高速通信技術向けに開発されたもので、厚みが15μmの低誘電特殊フィルム、30μmの低誘電粘着剤、剥離フィルムから成る。同シートは、誘電率が低い特殊なフィルムと粘着剤を用いた低誘電粘着シートを組み合わせたもので、後付けや再剥離性に優れている。
同社の説明員は「一般に低誘電の素材は『粘着性』が得られにくいが、X5839Aは『しっかりとした粘着力』と『低い誘電正接』を実現している」と話す。
共振法により80GHzで同シートの誘電特性を測定したところ、誘電率は2.40で、誘電正接は0.0080となる。粘着物性については、貼り付けしてから20分後の粘着力が2.7N/10mmで、9.8Nの荷重で1時間後の保持力は0mm、ボールタック試験でボールタックはNO.7となる。
用途としては、次世代高速通信部材の回路基板やアンテナなどに使用される粘着シートに加えて、後付け、再剥離が可能な特徴を生かして、現行製品と設備への高速通信部材の施工用シートが想定されている。「低誘電の『フィルム』や『接着剤』は市場に存在するが、『粘着シート』という形態は珍しいため、現在は具体的な用途を探索中だ」(同社の説明員)。
なお、両製品の構成は顧客の要望によって変更可能だ。
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