マツダの10月の世界生産台数は、前年同月比5.5%減の10万9406台と3カ月ぶりに減少へ転じた。要因は海外生産の低迷で、同15.4%減の3万9900台と6カ月連続で減少した。メキシコは、関税対策で米国市場向けの「CX-30」や「マツダ3」を減産したことで同37.1%減の1万3353台と大幅に減少し、7カ月連続のマイナス。HEVを追加した「CX-50」の販売が好調な米国は同8.5%増の1万1614台だったが、北米トータルでは同21.8%減の2万4967台と6カ月連続の前年割れとなった。中国も新型EV「EZ-6/マツダ6e」に加えて、SUVタイプの新型EV「EZ-60」も純増となったが、マツダ3などの落ち込みが大きく、同11.6%減の9186台と7カ月ぶりに前年実績を下回った。一方、タイは「マツダ2」やCX-30などが増加し、同18.7%増の5747台と7カ月ぶりにプラスへ転じた。
主力の国内生産は、前年同月比1.2%増の6万9506台と3カ月連続で前年実績を上回った。前年12月に生産を終了した「マツダ6」などのマイナス影響はあったものの、「CX-5」が同17.3%増、マツダ3は同11.1%増、CX-3は同33.0%増と主力モデルがそろって伸長した。輸出も欧州向けの減少を北米向けがカバーし、同2.5%増の5万9128台と2カ月連続で増加した。
三菱自の10月の世界生産台数は、前年同月比5.3%減の8万2583台と4カ月連続のマイナスだった。8社の順位では3カ月ぶりにスバルを上回り、7位となった。このうち国内生産は、同11.4%増の4万7110台と5カ月ぶりにプラスへ転じた。水島製作所(岡山県倉敷市)で生産する「デリカミニ」や、日産向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルークス」の新型車の生産が本格化した。輸出も北米向けが回復するなど、同1.6%増の1万9810台と5カ月ぶりに増加した。
国内は反転したが、海外生産は依然として厳しい状況が続く。前年同月比21.0%減の3万5473台と4カ月連続のマイナス。主要地域である東南アジアは、最大拠点を構えるタイは経済低迷やローン審査の厳格化などで厳しい市況が続いている他、「ミラージュ」や「パジェロスポーツ」の一部地域向け生産を終了した影響もあった。
8社で最も厳しかったのがスバルだ。10月の世界生産台数は、前年同月比26.4%減の7万702台と4カ月連続で前年実績を下回った。このうち国内生産は、同27.4%減の4万3697台と5カ月連続のマイナス。群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で工事を実施しており、一部の生産ラインを停止した影響が表れた。これに伴い輸出も同29.9%減の3万5178台と4カ月連続の前年割れだった。唯一の海外生産拠点である米国生産も、前年の挽回生産に対する反動減に加えて、サプライヤーの設備トラブルによる一部部品の納入遅れが発生したため、同24.7%減の2万7005台と3カ月連続のマイナスとなった。
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