ホンダを約2200台上回り、トヨタに次ぐ2位につけたのがスズキだ。10月の世界生産台数は、前年同月比6.0%増の30万4917台と2カ月連続で増加し、10月として過去最高を更新した。8社でも最大の伸び率を示した。けん引役は海外生産で、同9.5%増の21万2571台と2カ月連続のプラスだった。世界生産の6割超を占めるインドは、新型SUV「ビクトリス」の投入や輸出の拡大で、同8.3%増の19万1927台と2カ月連続で増加。10月のインド生産として過去最高となった。インド以外の海外生産も、SUV「フロンクス」の生産を開始したインドネシアが増加し、同22.1%増の2万644台と、2カ月連続で前年実績を上回った。
一方、国内生産は、前年同月比1.3%減の9万2346台と2カ月ぶりに減少した。新型「クロスビー」など登録車は好調だったが、国内最量販車種の「スペーシア」をはじめ、「ハスラー」や「アルト」など軽自動車の落ち込みが目立った。輸出は同9.8%増の2万933台と2カ月ぶりのプラスだった。
8社の順位で3位となったホンダの10月の世界生産台数は、前年同月比10.9%減の30万2671台と落ち込み、2カ月ぶりのマイナス。国内/海外ともに落ち込んだ。特に海外生産は、同12.6%減の23万9009台と低迷し、2カ月ぶりの減少。主要市場の北米が同14.0%減の13万4454台と大きく落ち込み、2カ月ぶりのマイナス。オランダの中国系半導体メーカーであるネクスペリアの出荷停止を受け、10月末からメキシコ工場を停止した他、米国とカナダでも生産調整を実施した影響が表れた。中国も、市場の競争激化を受けて同3.7%減の5万9229台と2カ月ぶりの前年割れ。東南アジアも低調で、中国含むアジアトータルでは同14.6%減の9万2138台とさらに落ち込み、2カ月ぶりに減少した。
国内生産は、前年同月比3.6%減の6万3662台と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。11月の国内販売を見ると、「ヴェゼル」や「ステップワゴン」は好調だったものの、「N-BOX」「フリード」「フィット」などの主力モデルが軒並み減少した。輸出は同4.9%増の9354台と7カ月連続で増加したが、台数が少なく国内市場向けの落ち込みをカバーするには至っていない。
日産自動車の10月の世界生産台数は、前年同月比3.9%減の27万6323台と3カ月ぶりに前年実績を下回った。要因は厳しさが続く国内生産で、同19.3%減の5万2053台と20カ月連続のマイナスだった。大型SUV「パトロール/アルマーダ」は好調だったものの、北米向けの主力車種であるSUV「エクストレイル/ローグ」の減産に加えて、国内販売で「ノート」や「セレナ」、エクストレイルなど主力モデルが軒並み大幅に台数を落としていることが響いた。輸出は、米国の追加関税対策でエクストレイル/ローグの現地生産を増やしていることもあり、同28.0%減の2万9177台と2カ月連続のマイナスだった。
海外生産は、前年同月比0.6%増の22万4270台とプラスを確保し、3カ月連続で前年実績を上回った。特に販売競争が激しい中国において新型EV「N7」の受注が好調で、同25.9%増の6万5413台と大幅に伸び、5カ月連続で増加。中国で生産する4社で唯一のプラスだった。英国も、シリーズハイブリッドシステム「eパワー」の第3世代を搭載した「キャシュカイ」の生産開始により、同3.7%増の2万7662台と3カ月連続のプラスだった。一方、厳しいのが北米で、米国はローグやSUV「ムラーノ」は増えたが、主力セダン「アルティマ」の減少やEV「リーフ」の生産終了もあり、同4.2%減の4万5708台と3カ月ぶりのマイナス。メキシコも「セントラ」の減少により同17.4%減の5万8115台と4カ月ぶりの前年割れとなった。
ダイハツの10月の世界生産台数は、前年同月比1.9%増の15万3920台と、2カ月連続のプラスだった。このうち国内生産は、同4.8%増の8万866台と3カ月連続で前年実績を上回った。内訳は、新型「ムーヴ」が好調な軽自動車が同17.2%増の5万8600台と大きく伸長。ただ、登録車は伸び悩み、同18.0%減の2万2266台と明暗が分かれた。
海外生産は、前年同月比1.2%減の7万3054台と6カ月連続で減少した。インドネシアは低迷が続いており、同7.1%減の3万5644台と27カ月連続のマイナスだった。一方、マレーシアは好調で、同5.2%増の3万7410台と2カ月連続のプラスで、10月のマレーシア生産として過去最高を更新した。
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