Visual Components(ビジュアル・コンポネンツ)はオンラインで記者会見を開き、日本国内における事業戦略などを説明した。ロボットのオフラインティーチングによって、溶接や塗装の自動化を加速させる方針だ。
Visual Components(ビジュアル・コンポネンツ)は2025年11月27日、オンラインで記者会見を開き、日本国内における事業戦略などを説明した。
ビジュアル・コンポネンツは1999年にフィンランドで設立された。当初は、工場や倉庫、物流センターのレイアウト設計や生産管理における3Dシミュレーションソフトウェアを提供していたが、2022年に産業用ロボットのオフラインプログラミングソフトウェアを開発していたDelfoi Roboticsを買収。現在は、製造業向け3Dシミュレーションと産業用ロボットのオフラインティーチングの機能を併せ持つソフトウェアとして「Visual Components」を展開している。なお、2017年にKUKAのグループ会社となっている。
ビジュアル・コンポネンツ CEOのミッコ・ウルホ(Mikko Urho)氏は「単一のプラットフォームでマテリアルハンドリングとロボティクスのシミュレーションができることが大きな特徴となっている。レイアウト設計、シミュレーション、ロボットのオフラインティーチングまで1つのプラットフォーム上で使うことができる。使いやすさも評価されている。また、APIの仕様を公開しており、パートナー企業が追加機能を開発することも容易だ」と語る。
同社 日本法人 カントリーマネージャーの中村正明氏も「既存のライブラリーには5300以上のアイテムがあり、それらを使って工場や倉庫のレイアウトを設計できる点も評価されている」と述べる。
同社では最新版のソフトウェアとなる「Visual Components 5.0」を2025年12月にリリースする。ロボットコントローラー(デンソーウェーブ、ヤマハ発動機、Techman Robot、三菱電機)およびPLC(LS Electric)への接続を拡張する他、AGV(無人搬送車)やAMR(自律型搬送ロボット)などの機器とリアルタイムでデータ交換するためのMQTTサポートを開始する。また、モデルベース設計(MBD)と製品製造情報(PMI)データが組み込まれたCADファイルから、ロボットツールパスの生成が可能になる。詳細は、「2025国際ロボット」(同年12月3〜6日、東京ビッグサイト)の同社ブース(W3-41)で紹介される予定だ。
2026年の初頭には、NVIDIAのアプリケーション開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を組み込んだVisual Componentsもリリースされる。
日本国内では、これまで代理店経由のビジネスを15年近く展開してきたが、2025年1月に日本法人を立ち上げた。3Dシミュレーションに関しては既に国内の自動車産業で導入されており、今後はロボットのオフラインティーチングも強化していく。「溶接や塗装の領域にフォーカスしていきたい。オフラインティーチングによって、多品種小ロットのシステムインテグレーションの効率化に貢献していきたい」(中村氏)
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