アズビルは、「IIFES 2025」において、工場/プラント向けの新ブランド「we.ble」を発表するとともに、半導体製造時の高度なデポ対策が可能な新型の隔膜真空計などを披露した。
アズビルは、「IIFES 2025」(2025年11月19〜21日、東京ビッグサイト)において、工場/プラント向けの新ブランド「we.ble」を発表するとともに、半導体製造時の高度なデポ対策が可能な新型の隔膜真空計などを披露した。
we.bleは、工場/プラント向けソリューションを束ねる“協働/共創”の旗印であり、オートメーションの技術で人と社会をつなぎ、顧客と共に未来に向かって進んでいくことがコンセプトになっている。
「われわれの商品やサービスには統一のブランドが今まで存在していなかった。システム同士の連携が分かりづらいという声もあったため、これらの関係する商品群やエンジニアリングサービスを1つのブランドにまとめ、新たな旗印の下で顧客と共に進んでいくために新たなブランドを作った」(we.bleの担当者)
アズビルは、さまざまなシステムやAI(人工知能)のような新しい技術を既存のシステムと組み合わせた製品や、カーボンニュートラルへの対応/業界の人手不足といった問題に対して、顧客に寄り添うようなエンジニアリングサービスや新たな商品群をwe.bleブランドとして展開していく。
「展示ブースでは、複数のアプリケーションを運用することで今まで分断されてきたデータを1つに統合し、そのデータを基にAIが『何が起きているのか』『これからどのような対処をすればいいのか』など、状況の分析やこれからの行動についてのさまざまなことをチャット形式で教えてくれる参考アプリケーションを展示している」(同担当者)
「FA ファクトリーオートメーション」エリアでは、半導体製造時の高度なデポ(物質の堆積、沈着、沈殿)対策を可能とする「サファイア隔膜真空計 形 V8」シリーズを披露した。同製品群はALD(原子層堆積)やCVD(化学気相成長)、エッチングなどの半導体製造装置での計測に使用することを想定している。
近年の半導体製造では、微細な加工が実現できるALDを採用するケースが増えているが、その成膜原理から半導体製造装置の内部にも原材料の膜が堆積してしまうという課題がある。中でも、製造装置の真空度を管理する真空計の部分にデポの影響が出ると計測誤差が発生してしまう。そのため、半導体のプロセスを正確に計測するには、デポ対策を施した真空計が必要である。
アズビルが展開するサファイア隔膜真空計には、センサーの圧力を感知する部分であるダイアフラムにサファイアを使用している。その理由について「サファイアは半導体でよく使用するフッ素系や塩素系のガスに対して、耐圧性、耐摩耗性、耐食性、耐熱性に非常に優れている。そのため、半導体のプロセス計測に適した材料である」(サファイア隔膜真空計の担当者)と語る。
さらに、最新の製品群であるV8シリーズには、MEMS加工技術を生かしたデポ対策として「凸凹センサー」を搭載している。同センサーはダイアフラムの表面に微細な凸凹加工を施している。これにより、付着膜を分断して堆積物の応力影響を低減し、計測誤差を最低限に抑えることができる。「デポが発生したとしても計測誤差を起こしづらい構造のセンサーとして設計/開発している」(同担当者)。
現在は200℃まで使用可能なヒーター内蔵の一体型モデル「V8C」と、センサー部分と回路部分が分かれており、顧客側でヒーターを用意することで250℃まで使用可能な分離型モデル「V8S」の計2種類を展開している。今後の展開については「より高い温度でプロセスを測りたいという需要を満たす300℃仕様のモデルや異なるレンジのセンサー2種類を搭載していた部分を1個のセンサーで補う新しい製品、より広いレンジを高精度に計測できるセンサーを現在開発中である」(同担当者)と述べている。
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