マキノ 代表取締役の牧野拳一郎氏は「当社は少量多品種、即日納品を得意としており、1日の生産品目は300種類を超え、1種類当たりのロットは多くても10個ほどだ。そのため、それぞれの顧客の仕様を覚えることが困難になっており、さまざまな自動化を推進してきた。2024年からはカエリ取りの自動化に着手し、その中でスギノマシンと共同で取り組んできた」と述べる。
スギノマシン 代表取締役社長の杉野岳氏は「われわれは近年、ロボットを含めた自動化装置に力を入れている。技術で世の中の課題に貢献することが会社の存在意義だが、今重要なことは、人口減社会へ対応しながら、高い品質を維持するモノづくりの技術を発展させていくことだ。今回のカエリ取りロボットシステムは、その目的を果たしており、現段階での1つの到達点であると考えている」と話す。
ワークの材質としては鉄、アルミ、ステンレスに対応でき、マキノで扱うワークの8割をカバーできる。作業スピードは人と同等レベルだというが、「カエリ取りの均一性ではロボットシステムの方が優れている。人なら3年ほど経験を積まないと同じようにできない」(牧野氏)。
効果として大きいのは、ロボットシステムにカエリ取りをさせながら、その間に人が他の作業をできるようになったことだ。それまではワークの1枚1枚を人が機械や工具を使って作業しなければならず手間がかかっていた。特にアルミはワークが大きくなるほど均一に作業するのが難しいという。ロボットシステムを使うことで、習熟していない作業者でも作業が進められるため、業務の効率化につながっている
なお、スギノマシンでは3年後までに板金業界向けロボットシステムの合算値として50台の販売を目指している。
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