NTNは、手首関節モジュール「i-WRIST」を活用した、インライン対応高速検査ユニットの提案を開始した。i-WRISTと直動アクチュエーターを組み合わせたユニットを標準化し、ユーザーのニーズに合ったダイカスト製品の外観検査ソリューションを提供する。
NTNは2025年10月21日、手首関節モジュール「i-WRIST」を活用した、インライン対応高速検査ユニットの提案を開始したと発表した。i-WRISTと直動アクチュエーターを組み合わせたユニットを標準化し、ユーザーのニーズに合わせたダイカスト製品の外観検査ソリューションを提供する。
i-WRISTは、独自のリンク機構を採用したロボティクスモジュールで、手首のような滑らかな動きと高速、高精度な角度制御に対応する。今回提案を開始した外観検査ソリューションは、画像処理システムメーカーやロボットシステムインテグレーターと連携して開発。i-WRISTの制御技術とソフトウェア、AI(人工知能)を組み合わせ、ニーズに対応した外観検査ソリューションを提供する。
大型ダイカスト品の検査では、細かな姿勢変更や高精度な位置決めを得意とする高速検査ユニット「大型タイプ」と大きな動きに適した多関節ロボットを組み合わせることで、検査速度の向上と省スペースな生産ラインを構築する。
小型のダイカスト品向けには、既存の「i-WRISTスターターパッケージ」を改良した「小型タイプ」を展開予定だ。幅方向をスリム化し、最速約0.2秒/ポイントでの撮像に対応する。
工程の自動化が進む製造現場では、特に外観検査工程において自動化のニーズが高まっている。従来の多関節ロボットによる検査は撮影角度の変更に時間を要していたが、i-WRISTの可動性能を活用することで、複雑形状部品に対しても短時間で撮像角度を切り替え、高速かつ高精度な検査が可能になる。
同社は、2026年初頭を目安に大型ダイカスト品の外観検査向けに受注を開始する予定だ。
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