最も厳しいのがマツダだ。7月のグローバル生産台数は、前年同月比22.6%減の8万6551台と6カ月連続で減少。8社で唯一の2桁パーセント減となった。中でも主力の国内生産は、同27.9%減の5万6637台と6カ月連続で前年実績を下回った。主力モデルの「CX-5」は同0.1%増と前年並みを維持したものの、「CX-30」は欧州や国内向けを大幅に減らしたことで同50.1%減と半減。前年が新型車効果で高水準だった北米など向け「CX-90」や、2024年末に生産を終了した「マツダ6」なども影響を及ぼした。輸出も欧州向けなどのマツダ3や北米向けCX-90の減少などで、同18.0%減の5万1236台だった。
海外生産も低迷し、前年同月比10.0%減の2万9914台と3カ月連続のマイナス。このうちメキシコは、米国市場向けのCX-30やマツダ3の減少により同28.7%減の1万1210台と大幅に減少。「CX-50」が堅調な米国は同39.9%増の8627台と伸長したが、北米トータルでは同9.4%減の1万9837台と3カ月連続の前年割れとなった。タイも「CX-3」などの落ち込みで同35.7%減の4164台と4カ月連続のマイナスだった。ただ、中国は新型EV「EZ-6」「マツダ6e」の純増により同21.4%増の5913台と大幅プラスで、4カ月連続で前年実績を上回った。
三菱自の7月のグローバル生産台数は、前年同月比9.3%減の7万8572台と4カ月ぶりにマイナスへ転じた。ただ、8社の順位では、4カ月ぶりにスバルを上回り7位となった。このうち国内生産は、同10.7%減の4万598台と2カ月連続で減少した。8月の国内販売を見ると、日産向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する軽EV「サクラ」が半減した他、「ルークス」(日産)や「デリカミニ」などの主力の軽がフルモデルチェンジを控えて大きく台数を落としたことが響いた。
輸出も前年同月比28.8%減の1万4728台と落ち込み、2カ月連続で減少した。海外生産も同7.9%減の3万7974台と3カ月ぶりのマイナス。主要地域である東南アジアは、最大拠点を構えるタイは経済低迷やローン審査の厳格化などで厳しい市況が続いている他、「ミラージュ」や「パジェロスポーツ」で一部地域向けの生産を終了した。
スバルの7月のグローバル生産は、前年同月比4.9%減の7万6681台と4カ月ぶりに前年実績を下回った。これは前年7月が、群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で発生した死亡事故による稼働停止の挽回生産を実施して高水準だったことが影響した。このため国内生産は、同12.9%減の5万3646台と2カ月連続のマイナスだった。これに伴い輸出も同24.0%減の3万9275台と大きく減らし、6カ月ぶりの前年割れだった。一方、唯一の海外生産拠点である米国生産は、新型「フォレスター」の生産調整などによる一時的な増加もあり、同21.1%増の2万3035台と3カ月連続のプラスだった。
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