スズキが開発する「ロボットの足」が各地を走り始めた。除雪作業、農業、配送、土木建築、資材の運搬など、さまざまな用途でロボットの足となる「電動モビリティベースユニット」を提供。パートナー企業の協力の下、電動モビリティベースユニットの事業化に向けた実証走行を重ねている。
スズキが開発する「ロボットの足」が各地を走り始めた。除雪作業、農業、配送、土木建築、資材の運搬など、さまざまな用途でロボットの足となる「電動モビリティベースユニット」を提供。パートナー企業の協力の下、電動モビリティベースユニットの事業化に向けた実証走行を重ねている。直近では、セブン-イレブンの配達サービス「7NOW」が、東京都八王子市の南大沢エリアにおける配達で電動モビリティベースユニットを採用した屋外型自動走行ロボットを実験的に導入した。
電動モビリティベースユニットは2023年に発表した。2025年2月にはIoT(モノのインターネット)活用に向けてソラコムと協力して実証実験に取り組むことを発表した。電動モビリティベースユニットに通信機能を持たせ、使われ方を可視化。今後の製品開発にデータを活用していく。
ソラコム主催のAIとIoTに関するイベント「SORACOM Discovery 2025」で、スズキ 次世代モビリティサービス本部 次世代モビリティサービス事業部 事業企画課の石川秀輔氏と上村綜次郎氏が登壇して講演した。
電動モビリティベースユニットは「セニアカー」(電動車いす)の技術を応用した。セニアカーは2025年に発売から40年を迎え、電動車いす事業全体としては50年以上の歴史がある。高齢者向けで最高時速6kmとのんびりしたモビリティではあるが、通常の使用環境以上に負荷がかかるハードなテストを受けている。
石畳、ぬかるんだ泥、急な上り坂での走行テストに加えて、砂利の下り坂での旋回、下り坂でのブレーキなどのテストも行う。品質に関しては、数日にわたる振動、一定の高さから繰り返し落下させる、大量の水をかけ続けるなどのテストの他、高温や低温など極端な温度下での検証も実施する。
こうしたハードなテストをクリアした製品だからこそ、さまざまな用途や環境で走るロボットの足に応用できるのだという。電動モビリティベースユニットは、自動車やセニアカーで培った防錆/防水/防塵機能も持つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.