トヨタに次ぐ2位に浮上したのがスズキだ。ただ、7月のグローバル生産は、前年同月比0.2%減の29万3158台と微減で、6カ月連続のマイナス。伸び悩みの原因は国内生産で、同5.7%減の8万4318台と4カ月連続で減少した。これは「ハスラー」や「ワゴンR」など国内市場向け軽自動車の販売が減少したため。輸出は同2.5%増の1万8174台と、7カ月ぶりにプラスへ転じた。
国内が伸び悩む一方、海外生産は堅調で、前年同月比2.2%増の20万8840台と2カ月ぶりに増加した。世界生産の6割超を占めるインドが、販売好調や輸出の増加などで同0.8%増の18万7060台と2カ月ぶりのプラス。7月として過去最高を更新した。さらに、長らく不調が続いていたインド以外の海外生産も、インドネシアで「フロンクス」の生産を開始したことなどにより、同15.5%増の2万1780台と2桁パーセント増を記録し、29カ月ぶりに前年実績を上回った。
3位は低迷が続くホンダで、7月のグローバル生産台数は、前年同月比7.0%減の27万7635台と12カ月連続のマイナスだった。このうち海外生産は、同11.5%減の20万9831台と12カ月連続で減少。中でも中国は、EV市場の競争激化で販売が低迷しており、投入した新型EV「イエ」シリーズも思うように販売が伸びず、同23.1%減の5万5941台と大きく減らし、2カ月ぶりに前年実績を下回った。その結果、アジアトータルも同23.0%減の8万5041台と2カ月ぶりに減少した。主要市場の北米も同1.6%減の11万8601台と3カ月連続のマイナスとなった。
一方で国内生産は、前年同月比9.9%増の6万7804台と、2カ月連続で前年実績を上回った。国内販売は、前年にフルモデルチェンジした反動により主力モデルの「フリード」が落ち込んだものの、輸出が同91.3%増と4カ月連続で増加したことなどが国内生産のプラスにつながった。
日産自動車の7月のグローバル生産は、前年同月比4.2%減の22万7563台と2カ月ぶりのマイナスだった。このうち国内生産は、同1.6%減の5万1417台と17カ月連続のマイナス。北米向けの主力車種である「エクストレイル/ローグ」は増加したものの、国内販売で「セレナ」「ノート」、エクストレイルなど主力モデルが軒並み大幅に台数を落とした。輸出はローグの回復などにより同14.7%増の2万9323台と増加し、9カ月ぶりにプラスへ転じた。
海外生産は、前年同月比4.9%減の17万6146台と2カ月ぶりに前年実績を下回った。米国は「アルティマ」の減少などにより同30.0%減の2万8778台と2カ月ぶりのマイナス。ただ、メキシコは「キックス」や「セントラ」の増加で同11.7%増の4万7452台と2カ月ぶりに増加した。販売競争が厳しい中国も新型EV「N7」の受注好調により同14.6%増の4万8469台と大幅な伸びを記録し、2カ月連続のプラスだった。英国は「キャシュカイ」の減少により同4.4%減の2万3541台と14カ月連続のマイナスだった。
ダイハツの7月のグローバル生産は、前年同月比6.7%減の12万9001台と、8カ月ぶりのマイナスとなった。これは部品の供給不足により、軽自動車「タント」や小型SUV「ロッキー/ライズ(トヨタ)」などを生産する滋賀工場と、「ムーヴ」「ムーヴキャンバス」「ミライース」「タフト」などの軽自動車を生産する大分第2工場(ダイハツ九州)で稼働停止を実施したため。その結果、前年の認証不正の反動によりプラス基調が続いていた国内生産は、同11.9%減の5万8640台と7カ月ぶりに前年実績を下回った。内訳は軽自動車が同21.1%減の3万9469台と大きく減少した一方、登録車は同16.1%増の1万9171台と伸長した。
海外生産は、前年同月比1.9%減の7万361台と3カ月連続のマイナスだった。マレーシアは同11.8%増の3万6983台と2カ月連続で増加し、7月として過去最高を更新した。ただ、インドネシアは厳しい状況が続いており、同13.6%減の3万3378台と落ち込み、24カ月連続のマイナスだった。
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