Design & Make Summit Japan 2025の会場では、パートナー企業による展示に加え、同社がツール提供などを通じて支援する学生らの取り組みも紹介されていた。
ハイブリッドロケットの製作/打ち上げなどに取り組む九州大学の宇宙開発体験サークル「PLANET-Q」では、設計、解析、加工データの作成といった一連のプロセスにFusionを活用している。音速突破および高度10kmへの到達を目指すハイブリッドロケットプロジェクトでは、特に軽量化が重要な課題となっている。
会場では、自作のハイブリッドロケットエンジンを展示し、バルブシステムに使用されたバルブやフレームにジェネレーティブデザインを適用することで軽量化を実現したことを紹介した。フレーム部については「強度を維持したまま、重量を約74%削減(初期形状との比較)することに成功した」(説明員)という。
なお、機体名「Felix-Nova」で挑んだ2024年の能代共同打ち上げ実験では、高度3100m、最大対気速度マッハ0.81を記録し、日本の学生ロケットとしての高度記録を更新している。
立命館大学 情報理工学部のプロジェクト団体「Ri-one」は、AIを活用した自律移動型ロボットによる世界大会「RoboCup 2024 Soccer」のSSL(Small Size League)Division Bで優勝を果たした学生団体である。競技では、1チーム6台のロボットが使用され、9×6mのコート上でサッカーを行う。カメラ映像を基にAIが解析を行い、ロボットを遠隔操作する仕組みだ。ロボットのサイズは、直径18cm以内、高さ15cm以下と規定されており、ボールを蹴り上げる機構なども備えている。
同団体では、この世界一のロボットをFusionで設計。オムニホイールを搭載した足回りの設計や、基板レイアウト、全体構造の最適化、シミュレーション、ジェネレーティブデザインを活用した部品製作など、開発のあらゆる工程でFusionを活用している。「例えば、内部のカメラモジュールを固定する部品やフレーム、ボールを蹴り上げるためのパーツなどにジェネレーティブデザインを適用し、軽量化と強度の確保を実現している」(説明員)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.