一方、今回提携するOKIはこれまでEMS事業として数多くの製品の量産しており、そこにエフィニックスの低電力/高性能のFPGA技術を融合させて高品質の製品を提供していく考えである。
「OKIのグループ会社がFPGA設計技術を持ち、独自の開発フローを構築しているため、エフィニックスのFPGAにおいても開発フローを作りこんでいける」と語る。(OKI担当者)
OKIが所持しているIPとしては、PCI-e、TCP/IP、GigE Visionといった高速データ転送用IPがある。これに加えてマルチプロトコルのHDLC(ハイレベルデータリンク制御)通信コントロールIP、ビデオレイヤーコントロールIPも作っていく。そしてFPGAにこれらのIPを組み込んだものを基板に実装するまで含めた形でシステム全体を保証し、サポート体制も整えている。
さらにOKIは多数の顧客案件をこなしてきており、年間100プロジェクトの開発を10年以上行う豊富な開発実績がある。生産面においてもEMS製造においても設計から製造、信頼性試験までワンストップでおこなうサービスを20年以上提供している。
こうした背景を踏まえて、OKIはFPGA開発から量産までをワンストップで対応する流れを作ろうとしている。独自のIP(半導体設計資産)利用による開発期間短縮と品質確保を目的としながら、IPを組み合わせることによる開発の大幅効率アップを目指す。
エフィニックスのFPGAの魅力について「発熱の大きいFPGAには熱を抑えるためのヒートシンクやファンなどで排熱することが必要だが、エフィニックスのFPGAは手で触れることができる程度の発熱で収まり、そこに驚いた。今後はポータブル医療機器の需要が大きく高まっていくと見ており、まずはそこを攻めていく。その後は情報通信やロボット、宇宙など幅広い分野に展開したい。省電力で発熱が少なく、高性能なFPGAを求めるユーザーを開拓していく」(OKI担当者)としている。
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