こういった取り組みを行っている金属・資源・リサイクル本部が、「ITADの認知度向上」「適切に処分される機器量増加」「金属資源循環の推進」を目的に、法人向けPC買い取り一括見積もりプラットフォームとしてHi-Kiiをリリースした。
Hi-Kiiでは、担当者の多忙さにより生じる「知識不足によるリスク」と「業者選定によるリスク」の解消を目指す。
「知識不足によるリスク」に関して、専用のソフトや機材を利用せずに使用済みPCのデータを消去してもデータ復元技術で復元できる危険性がある他、担当者がデータ消去ソフトなどを利用してもそのソフトが対応する範囲や消去方法の指定などで専門知識が求められる。
「業者選定によるリスク」について、業者を選ぶ際には2つの項目をチェックする必要がある。1つ目は「監視カメラなどセキュリティ対策がなされた作業環境」。2つ目は「各社のオペレーションにおいて、機器回収、入庫、データ消去、出荷の流れを確認し、各工程で数量確認など入出庫作業の抜け漏れ、盗品などが発生しない工夫がされていること」だ。しかし、これらの項目は法人を対象に中古IT機器などの買い取りを行う業者のWebサイトなどで確認が難しい。
そこでHi-Kiiは、使用済みIT機器の廃棄で悩むユーザーに、セキュリティ基準をクリアした複数のITAD企業から簡単に一括見積もり、比較、契約を行える機会を提供する。ユーザーによるHi-Kiiの利用は無料だ。
Hi-Kiiの利用手順は以下の通り。まずHi-Kiiのフォームに会社名などの基本データを入力し、廃棄するIT機器のリストを添付する。次に、データ消去証明書が発行される「あんしんデータ消去プラン」と、特殊なデータの消去方法なども指定できる「こだわりデータ消去プラン」のいずれかのプランを選ぶ。続いて、双日が選定した複数のITAD企業から見積もりを入手し、比較して、好みのITAD企業と契約する。
見積もり取得は1台から可能で、PCだけでなくサーバやスマートフォン、タブレット端末などのIT機器に広く対応しており、データ消去/買い取りの見積もりを複数のITAD企業から一括で取得可能だ。選定したITAD企業とはチャットでやりとりでき、契約で指定された方法通りに回収される。
Hi-Kiiに参加しているITAD企業は双日の定めた独自のセキュリティ基準を満たしている。今後、双日ではHi-Kiiに参加するITAD企業を順次拡大していく予定だ。
双日 金属・資源・リサイクル本部 金属製品・リサイクル事業部長の奥町健氏は「Hi-Kiiは無料のサービスだが、Hi-Kiiに参加するITAD企業はユーザーとの取引ごとに当社に手数料を支払う。これにより収益を確保していく」と語った。
【訂正】初出時に、収益確保の方法に関してに誤った内容を掲載していました。お詫びして訂正致します。
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