これらの構造改革費用を織り込んだ2025年度の連結業績見通しは、売上高が2024年度比8%減の7兆8000億円(オートモーティブを除いた場合は同等)、調整後営業利益が同7%増の5000億円、営業利益が同13%減の3700億円、税引き前利益が同16%減の4100億円、純利益が同15%減の3100億円と予測する。
影響が大きくなりそうな米国関税の影響については、現時点では業績に織り込んでいない。ただ、その影響度はある程度に抑えられる見通しだという。パナソニックHDの2024年度の米国での売上高は約1兆5700億円だが「調整後営業利益への影響額は連結売上高の1%未満となる見込み」(和仁古氏)としている。2025年度の売上高予測は7兆8000億円であるため、影響額は780億円程度に抑えられる見込みだ。
「米国関税の影響については複雑な事象が関連しあっており、簡単には説明できないものがあるが、米国で1兆5700億円の売上高がある中で、予測される影響が780億円ということは、かなりの比率の影響を抑えることができているということになる。これを全て米国内に輸入していれば、こういう数値にはならない。エナジー分野を中心に米国内で生産しているからこそ影響を抑えることができている。地産地消で関税耐性が備わっているといえる」と和仁古氏は、米国内生産の優位性について説明している。
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