紙面が余りましたので、図1の球面座標系の微分方程式を解いた例を紹介します。
水素原子内の電子については球面座標系の微分方程式を使い、変数分離して解きます。といっても、筆者の数学力では無理なので昔習った物理の教科書(参考文献[2])からの引用です。量子力学の波動方程式の解、つまり波動関数は飛び飛びの値をとり、表4の整数の組み合わせの数だけあります。
1870年ごろに化学者が、性質が似ている原子を重さの順に並べて表を作りました。周期律表ですね。周期律表の1行目は水素とヘリウムで2個です。2行目と3行目は、Li、Be、B、C、N、O、F、Neの8個です。4行目は18種類の元素がありますね。周期律表の各行の元素の数と表4の「mの数の2倍」が一致しています。単純な整数の組み合わせで周期律表(この表は経験則で作られたものです)の元素の数が決まりました。「波動方程式からいろいろなことが分かる」といいたいのですが、少し間違っていますね。「理由は分からないが、波動方程式の結果と観測結果は一致する」と表現すべきでした。
次回は、電線に流せる電流値を求めましょう。 (次回へ続く)
高橋 良一(たかはし りょういち)
RTデザインラボ 代表
1961年生まれ。技術士(機械部門)、計算力学技術者 上級アナリスト、米MIT Francis Bitter Magnet Laboratory 元研究員。
構造・熱流体系のCAE専門家と機械設計者の両面を持つエンジニア。約40年間、大手電機メーカーにて医用画像診断装置(MRI装置)の電磁振動・騒音の解析、測定、低減設計、二次電池製造ラインの静音化、液晶パネル製造装置の設計、CTスキャナー用X線発生管の設計、超音波溶接機の振動解析と疲労寿命予測、超電導磁石の電磁振動に対する疲労強度評価、メカトロニクス機器の数値シミュレーションの実用化などに従事。現在RTデザインラボにて、受託CAE解析、設計者解析の導入コンサルティングを手掛けている。⇒ RTデザインラボ
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