一口に「設計」と言っても、さまざまな設計があります。MONOistでは、製品設計以外の情報についても有益な記事があります。治具設計に関しては、藤崎淳子さんの連載「製造現場の地味な要!? 治具設計の舞台裏」があります。また、機構設計に関しては、山田学さんの連載「メカメカリンクで設計しよう」や、久保田昌希さんの連載「身近なモノから学ぶ機構設計“超”入門」などがあります。
また、設備設計に関しては、りびぃさんの連載「設備設計現場のあるあるトラブルとその解決策」があります。この連載は、各回で設備設計現場で頻出する問題/トラブル事例を取り上げ、その解決アプローチを提示するという内容になっています。きっと共感しながら読み進められると思いますので、未読の方はぜひこの機会にチェックしてみてください。
筆者はこれまで“デジタルモノづくり”をテーマにMONOistでいくつか連載を執筆してきましたが、例えば、連載「デジタルエンジニアの重要性と育成のコツ」では、3D CADやCAE、CAM、3Dプリンタ、3Dスキャナーといったデジタル技術の活用について、人材育成の観点から解説しています。
他にも“脱2次元”できない現場に向けて、どのようなシーンで3D CADが活用できるのか、3次元設計環境を活用することでどのような現場革新が図れるのか、そのメリットや効果を解説し、3次元の設計環境とうまく付き合っていくためのヒントを提示した連載「“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法」も執筆しています。
3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説した連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」もあります。
また、今後さらに重要性が高まっていくであろうサステナブルな設計の観点から、デジタルモノづくりがどのように生かされるのかについて解説した連載「サステナブル設計とデジタルモノづくり」もお届けしています。
今回、あらためてMONOistに掲載されている、さまざまな解説記事を見直してみましたが、これだけ豊富な情報を無料で閲覧できるというのは本当にありがたいですね。日常的にニュースをチェックしているだけの方も、きっと気になる連載が見つかることでしょう。ご自身の学びだけでなく、間もなく入社するであろう新入社員の教育に活用してみるのもよいかもしれませんね。
ただし、Web上で記事を読んでいるだけでは、優秀な設計者にはなれません。日々の業務での研さんや社内研修はもちろんのこと、外部の有料セミナーやトレーニング、展示会への参加、資格試験への挑戦など、さまざまな機会を活用して、スキルアップ/学びにつなげていってください。
最後に、私事ですが、2025年2月1日から3次元設計能力検定協会の理事長に就任いたしました。協会では、3D CADのオペレーション能力や機械設計の基礎的能力を客観的かつ公平に評価する検定試験を実施しています。ご興味がありましたら、ぜひ受験を検討してみてください。
本連載はこれで最終回となりますが、引き続き、さまざまな場所で、皆さまの設計業務に役立つ有益な情報を発信していきたいと思います。長期間お付き合いいただきありがとうございました! (連載完)
小原照記(おばら てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
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