設計者のスキルアップ/学びに役立つ解説記事をピックアップテルえもんが見たデジタルモノづくり最前線(10)(1/2 ページ)

連載「テルえもんが見たデジタルモノづくり最前線」では、筆者が日々ウォッチしているニュースや見聞きした話題、企業リリース、実体験などを基に、コラム形式でデジタルモノづくりの魅力や可能性を発信していきます。連載第10回では、設計者のスキルアップ/学びをテーマに、MONOistのオススメ連載記事を紹介します。

» 2025年03月05日 06時00分 公開

 MONOistの「メカ設計フォーラム」では、機械設計の基礎から、3D CADによるモデリング、CAE解析、3Dプリンタ活用まで、実践スキルの習得や課題解決に役立つさまざまな情報を発信しています。

 そこで最終回となる今回は、設計者の「スキルアップ」「学び」をテーマに、現在筆者が連載している“デジタルモノづくり”だけでなく、優れたエンジニアになるために必要な機械設計をはじめとする“アナログ的な基礎知識”の習得に役立つ解説記事をピックアップして紹介します。

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「機械設計」に関するオススメ解説記事

 現代の機械設計者にとって、デジタルモノづくりを学ぶことは重要なことですが、それ以上に“正しく設計する”ためのアナログ的な知識の習得が必要不可欠です。具体的には、JIS製図や公差設計、材料力学などです。

 このようなアナログ的な知識の習得に役立つ記事としてオススメしたいのが、土橋美博さんの連載「若手エンジニアのための機械設計入門」です。こちらの連載は若手エンジニアの方をターゲットにした内容になっているため、機械設計の基礎を学ぶのに最適だと思います。

 ちなみに、土橋さんの過去の連載には、JIS製図(連載「3D CADとJIS製図」)や公差設計(連載「産機設計者が解説『公差計算・公差解析』」)をテーマに取り上げたものもあります。こちらも併せてチェックしてみてください。

 材料力学については、栗崎彰さんの連載「仕事にちゃんと役立つ材料力学」がとても分かりやすく参考になります。きちんと材料力学の基礎を身に付けることができれば、設計業務だけでなく、CAEを活用した解析業務にも役立ちます。「曖昧なまま設計している……」という方はぜひこの機会に、MONOistの材料力学に関する記事を読み直していただければと思います。

「CAE」に関するオススメ解説記事

 今や、設計フェーズにおけるCAEを活用した事前検証は欠かせません。これまで通り、高度なCAE解析については、解析専任者に任せることもありますが、“設計者CAE”の普及により設計者自身がCAE解析を行い、検証するケースが増えつつあります。CAEを適切に使用するためには、正しい知識が必要です。

 MONOistでは、CAE/設計者CAEに関する豊富な解説がそろっています。例えば、これからCAEを始める人であれば、藤崎淳子さんの「ママさん設計者が教える『設計者CAE超入門』」がオススメです。また、構造解析であれば、栗崎彰さんの「構造解析、はじめの一歩」が、流体解析であれば、水野操さんの「初心者のための流体解析入門」が初学者向けの内容で分かりやすいと思います。

 他にも、CAE解析をテーマにした解説や事例記事なども多数掲載されていますのでぜひチェックしてみてください。

「加工」に関するオススメ解説記事

 設計した部品が、実際の加工工程で問題なく製造できるかを判断するには、各種加工方法(切削、鋳造、鍛造、プレス加工など)の特性や限界を理解する必要があります。機械加工の工程や手法を把握することによって、無駄な加工や過剰な精度要求を避けられます。その結果、加工時間の短縮や材料の無駄の削減につながり、製造コスト全体の低減に貢献できます。

 MONOistの記事では、藤崎淳子さんの連載「ママさん設計者が教える『設計者のための部品加工技術の世界』」や小川真由さんの連載「江戸川発! 知らないと損する切削加工のキホン」などが参考になります。

 機械設計者が自ら切削加工用のプログラムを作成することはあまりないかもしれませんが、CAMの概要について理解を深めておくことで、加工しやすい設計、コストを意識した設計が行えるようになります。筆者が過去に執筆した「メカ設計者でも知っておきたい! CAMを使った加工プログラムの作成方法」も参考にしながら、CAMや加工に関する知識を習得していただければと思います。

 板金設計であれば、國井良昌さんの「甚さんの『バンバン板金設計でキャリアアップ』」がオススメです。射出成形部品の設計に関する内容であれば、佐藤正さんの「成型部品設計のツボ」や落合孝明さんの「金型設計屋2代目が教える『金型設計の基本』」などが参考になります。

 加工法として、昨今では3Dプリンタの活用も広がりつつあり、試作だけでなく、最終製品への適用も徐々に進んでいます。これに伴い、3Dプリンタの性能に合わせた設計(DfAM:Design for Additive Manufacturing)の重要性が高まっています。DfAMについては、筆者の過去の連載記事「3Dプリンタの性能に合わせた設計(DfAM)ができるデジタルエンジニアを育成する」をご覧ください。

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