富士通は、現行システムの全体像を把握し、最適なモダナイゼーション計画策定を支援する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」を発表した。600社以上の資産分析実績と大規模言語モデルにより、ブラックボックス化したシステムを可視化する。
富士通は2025年2月4日、現行システムの全体像を把握し、最適なモダナイゼーション計画策定を支援する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」を発表した。600社以上の資産分析実績とLLM(大規模言語モデル)によりブラックボックス化したシステムを可視化するもので、同月より提供を開始する。
同サービスは、「資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産」と「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」で構成される。企業の情報システム資産の調査や分析、ブラックボックス化したアプリケーション構造の可視化、生成AI(人工知能)を活用した設計書生成により、企業や組織のモダナイゼーション推進をサポートする。
資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産は、アプリケーション資産の全体把握から対象アプリケーション資産の最適化、移植性評価を支援する。ソフトウェア地図を自動作成する技術により、アプリケーション資産を地図形式で表現することで、全体の現状を短時間かつ直感的に把握できる。
プログラミング言語種別ごとにアプリケーション資産全体を棚卸しして、使用していない資産や類似ソースコードを検出する。移植性評価では、必要なメインフレームからオープン環境へ移行する際の障壁となる機能を抽出し、移植難易度を評価する。
設計書リバースサービス for アプリケーション資産では、同社のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を実装。ソースコードを1行ずつ解析する従来手法とLLMを組み合わせ、資産分析と設計情報生成を実施する。
残存する設計情報やLLMを活用したソースコードの静的解析結果を入力して資産ナレッジグラフを作成し、生成AIの能力を外部データソースと組み合わせて拡張するRAG機能により関連ナレッジグラフを抽出する。これをソースコードと合わせてLLMに入力することで、ソースコードのみで生成する場合に比べて品質が約40%改善することを確認した。
同社は今後、対話形式でソースコード修正による影響範囲を確認するなど、生成AIの適用範囲を拡大し、生産性向上を図るとしている。
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