STMicroelectronicsは、組み込みAI開発向けに、MLの処理機能を搭載したマイクロコントローラー「STM32N6」シリーズを発表した。既存のSTM32マイコンと比較して、最大600倍のML性能を提供する。
STMicroelectronics(STマイクロ)は2024年12月10日(現地時間)、組み込みAI(人工知能)開発向けに、ML(機械学習)の処理機能を搭載したマイクロコントローラー「STM32N6」シリーズを発表した。既に量産を開始している。
積和演算ユニット(MAC)を約300搭載した同社独自のAIアクセラレーターであるNPU(ニューラルプロセッシングユニット)の「Neural-ART」を採用しており、既存のSTM32マイコンと比較して最大600倍のML性能を提供する。最大800MHzで動作するArm Cortex-M55コアを内蔵し、3360CoreMarkスコアを達成した。
また、STM32ファミリーで最大となる4.2MBのRAMと64ビットのAXIインタフェース、画像信号を直接処理できるISP(イメージ シグナルプロセッサ)を搭載。シンプルかつ比較的安価なイメージセンサーを使用できる。ISPは「STM32-ISP-IQTune」を用いて設定できる。
エッジMLアプリケーションの開発者向けには、TensorFlow LiteやKeras、ONNXなど主要なフレームワークをサポートする「ST Edge AI Suite」を提供している。ニューラルネットワークのサンプルモデルを用意した「model zoo」を活用することで、多様なアプリケーション向けに迅速な開発が可能となる。
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