日立の冷蔵庫は、1932年の第1号から90年以上の歴史があり、栃木事業所では設立1年後の1946年から冷蔵庫を生産してきた。日立GLS ホームソリューション事業部 CBO(Chief Business Management Officer)の山田三紀夫氏は「第1号機から90年以上、栃木での生産から約80年の歴史を持つ日立冷蔵庫は、さまざまな性能改善や機能追加によって顧客の要望に応えてきた」と語る。
現行製品の特徴としては、182l(リットル)と大容量の「らくうま!ひろin冷凍室」、冷却器とファンを冷蔵室と冷凍室/野菜室専用に分けることで実現した、冷蔵室内全てでチルド冷蔵が可能な「まるごとチルド」、冷蔵中の野菜から排出されるエチレンガスをCO2と水に分解するプラチナ触媒と野菜室を高湿に保つうるおいユニットにより、野菜を眠らせるようにみずみずしく保存できる「新鮮スリープ野菜室」などがある。買い忘れや二重購入、買い過ぎを減らして毎日の食材管理を楽にする冷蔵庫カメラは、機能搭載から3年目を迎えた。
日立GLSの栃木事業所では、冷蔵庫に加えエコキュートの生産も行っている。2001年に日立エコキュートの第1号機が誕生し、栃木事業所では2007年からヒートポンプユニットを、2015年から貯湯ユニットを生産している。
山田氏が日立エコキュートの特徴として挙げたのが、業界初となるウレタン発泡充てん構造の貯湯ユニット「ウレタンク」と、高い水圧と豊富な湯量を実現する「水道直圧給湯」である。山田氏は「ウレタンクに用いているウレタンフォームは冷蔵庫と同じものを使用しており、断熱性の高さとお湯の冷めにくさを実現している」と説明する。
後編では、混流生産の実現やロボットの導入によって3年間で生産効率を30%向上した冷蔵庫生産ラインや、関東一円の家電リサイクルで大きな役割を担う関東エコリサイクルのリサイクル工場の取り組みをレポートする。(後編に続く)
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