DOWAエコシステムは、同社の環境技術研究所(秋田県大館市)で、バイオコークスの製造装置および燃料評価装置を導入し、民間企業としては初めて(同社調べ)開発から製造/品質評価までを一貫して行える体制を構築した。
DOWAホールディングス子会社のDOWAエコシステムは2024年11月6日、同社の環境技術研究所(秋田県大館市)で、化石燃料の代替として期待されているバイオマス固形燃料の1つであるバイオコークスの製造装置および燃料評価装置を導入し、民間企業としては初めて(同社調べ)開発から製造/品質評価までを一貫して行える体制を構築したと発表した。
バイオコークスは、動植物などの生物資源から製造するバイオマス固形燃料の一種で、近畿大学 バイオコークス研究所 教授/所長の井田民男氏により開発された。同燃料は、一般的なバイオマス固形燃料と比べて高温燃焼下でも強度を維持し、燃料持続時間も長いという特徴を持つことから、石炭コークスの代替燃料として期待されている。
そのため近年、石炭コークスやその他の化石燃料の代替として、バイオコークスの本格的な実用化に向けた取り組みが進んでいる。DOWAエコシステムでも、木質系、農業系、廃棄物系などさまざまな原料を用いたバイオコークスの製造に関する研究開発にこれまで取り組んできた。
2023年には同社の研究活性化制度「DOWAテクノファンド」を利用し近畿大学の井田氏との共同研究を開始した。この研究では、DOWAグループ内の廃棄物処理施設(溶融炉)で試験を実施し、農業系残渣を原料としたバイオコークスが石炭コークスの一部を代替可能なことを確かめた。
しかし、バイオコークスのさらなる実用化に向けては、同燃料に適した原料の選定や調達に加え、使用する設備や操業条件へ適合させるための特性評価や、評価結果を原料と製造方法へ反映させることが課題となる。
そこで、DOWAエコシステムはバイオコークスの製造装置および燃料評価装置を導入し、開発から製造、品質評価までを一貫して行える体制を構築した。これにより、バイオコークスの開発を加速させることが可能となる。
加えて、バイオコークスはバイオマス原料以外に廃プラスチックなども原料として使えることから、既存の廃棄物処理事業との連携により、廃棄物資源のさらなる有効活用が期待できる。
今後は、DOWAエコシステム傘下の国内外拠点における将来的なバイオコークスの製造/販売事業の拡大も見据え、多様な原料サプライヤーやバイオコークスのユーザーとの関係構築を進め、安定的な原料調達や顧客ニーズに応じた製品開発を推進する。
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