わずかなスペースで100種類の製品を加工する新機種、新たなロボットシステムもJIMTOF 2024

中村留精密工業は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において、新たな2スピンドル2タレットのCNC複合精密旋盤「NT-Flex」やロボットシステム「RoboSync」などを披露した。

» 2024年11月07日 08時15分 公開
[長沢正博MONOist]

 中村留精密工業は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において、新たな2スピンドル2タレットのCNC複合精密旋盤「NT-Flex」を披露した。11月5日から販売を開始しており、目標の販売台数は月間20台、価格は2630万円(税別)となっている。

複合精密CNC旋盤「NT-Flex」。左は中村留精密工業 代表取締役社長の中村匠吾氏[クリックで拡大]

 NT-Flexは「100種類の製品をわずかなスペースで」をテーマにしており、コンパクトさにこだわって設計された。機械サイズは高さ2010mm、幅3500mm、奥行き1380mmで、工場内のスペースを無駄なく使うことができる。

 中村留精密工業 代表取締役社長の中村匠吾氏「全てのユニットを最適化した。タレットや主軸も新規に設計している。コンパクトながら剛性を保つために、全て1から作っている」と語る。

 上タレットにY軸のミーリングを搭載しており、最大毎分1万回転で旋削からミーリング、ねじ切り、ギヤ加工などを含めた全ての加工を1台で行うことができる。

 また、新たに自社開発した、15インチのタッチパネル画面付きの操作盤「NT-SmartXs」を搭載。新しい対話型の加工プログラム作成システムを導入しており、ガイダンス通りに入力すれば加工プログラムを作ることができる。加工中のアイドルタイムを短縮する同社の機能「クロノカット」も使用可能だ。

 工程編集画面では、これまでに作った加工プログラムが一覧に見られ、ドラック&ドロップで編集も可能だ。加工時間が左右の軸のどちらかに偏っていた時などにどちらかに加工プログラムを移すことができる。最大加工径は150mmで、最大加工長さは250mmとなっている。

「従来のような大量生産のワークの加工が減り、複数品種の加工をしなければならない時に、段取替えが大変だという声が多い。そういった時に必要な機械に、という思いで開発した」(中村氏)

 同じく2タレット2スピンドルのCNC複合旋盤「WY-150V」も展示した。径80mmのバー能力を持つ主軸を選択できるようになり、最大28/15kWの強力なモータが搭載可能となっている。ミーリングモーターは標準で7.5/3.7kWの出力を持ち、最大回転数は毎分1万回転までアップし、スピーディーな加工を実現する。最大加工径は225mmで最大加工長さは685mmとなっている。

CNC複合旋盤「WY-150V」 CNC複合旋盤「WY-150V」[クリックで拡大]

 その他、工作機械へのワークの投入および取り出しを行う新たなロボットシステム「RoboSync」を展示した。台車ごと協働ロボットを移動でき、位置が変わってもロボットのハンド部分にある2Dカメラで機械やストッカーに付けられたマーカーを読み取ることで位置補正を行う。

ロボットシステム「RoboSync」[クリックで拡大]
機械側に付けられたマーカー(左)とワークを置くパレットに付けられたマーカー(右)[クリックで拡大]

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