最も低調だったのが日産だ。8月のグローバル生産は、前年同月比15.5%減の23万6016台と3カ月連続のマイナスで、スズキに次ぐ4位となった。長らく好調が続いていた国内生産にブレーキがかかっており、同13.4%減の4万1568台と6カ月連続のマイナス。8社の国内生産でも最も減少幅が大きかった。北米の販売低迷により主力モデル「エクストレイル/ローグ」の台数を減らしたためで、輸出も同34.1%減の大幅マイナスで3カ月連続の減少となった。さらに台風10号による稼働停止も拍車を掛けた。
海外生産はさらに厳しく、前年同月比15.9%減の19万4448台と3カ月連続で前年実績を下回った。米国は「アルティマ」の台数調整により同32.5%減の大幅減で4カ月連続のマイナス。一方、メキシコは「ヴァーサ」が増加し同7.6%増と2カ月ぶりに増加した。中国は同20.3%減と低迷し、3カ月連続のマイナスだった。英国も「リーフ」の生産終了や「キャシュカイ」の減少により同22.9%減と3カ月連続で減少した。
一連の認証不正による稼働停止から回復し始めていたダイハツにもブレーキがかかった。8月は、国内の現行モデル全ての生産が再開されたが、台風10号の影響により国内全4工場で稼働停止を余儀なくされた。さらに前年8月は、仕入れ先で発生した火災に対する挽回生産を実施したため台数が多く、反動も表れた。その結果、前年同月比29.0%減の4万9583台と8社で最も落ち込み、3カ月ぶりに前年実績を下回った。内訳は、軽自動車が同32.9%減、登録車は同18.7%減だった。
海外生産は、前年同月比1.6%減の7万4066台と、3カ月連続で減少した。インドネシアが同13.8%減と低迷した。マレーシアは同16.0%増と好調で8月生産として過去最高を更新したが、インドネシアの落ち込みをカバーしきれなかった。その結果、8月のグローバル生産は、同14.8%減の12万3649台と2カ月ぶりのマイナスとなった。
マツダの8月のグローバル生産台数は、前年同月比1.6%減の8万6192台と4カ月ぶりにマイナスへ転じた。主力の国内生産は同14.0%減の4万6865台と2カ月ぶりに減少。車種別では新型車「CX-70」や「CX-80」が純増となったものの、「CX-8」の生産終了や、主力の「CX-5」(同39.7%減)が大幅減となったことが響いた。輸出もモデル切り替えで在庫整理を実施した欧州やオセアニアが半減近く減らしたため、同15.3%減と低迷した。
一方、海外生産は好調を維持しており、前年同月比18.8%増の3万9327台と5カ月連続で前年実績を上回った。8社の海外生産では唯一プラスだった。このうち北米は、メキシコが同32.8%増と3カ月ぶりにプラスとなった他、2023年7月末から2直化した米国は同66.5%増と伸長。加えて長らく低迷が続いていたタイも、オーストラリアやベトナム向け「CX-3」の輸出が増えたことで同40.5%増と4カ月連続で増加した。ただ、中国は「マツダ3」や「CX-50」の減少などにより同58.5%減の大幅減で、2カ月連続で前年実績を下回った。
SUBARU(スバル)の8月のグローバル生産台数は、前年同月比4.0%減の6万9340台と2カ月連続のマイナスとなった。国内生産が前年同月より17台少ない3万7058台と2カ月ぶりのマイナス。8社の国内生産で最も落ち込みが少なかった。ただ、輸出は同21.7%減と大幅減で2カ月ぶりのマイナスだった。
海外生産は、前年同月比8.2%減の3万2282台と2カ月連続で減少。一時的な調達先からの部品納入の遅れが減産につながったという。
三菱自動車の8月のグローバル生産台数は、前年同月比10.5%減の6万6637台と7カ月連続のマイナスだった。スバルを下回り、8社の順位では最下位となった。海外生産は、同12.4%減の3万6614台と7カ月連続で減少した。主要地域である東南アジアの市況低迷が響いており、最大拠点を構えるタイが同22.0%減、インドネシアが同12.9%減と振るわない。
国内生産も、前年同月比8.0%減の3万23台と2カ月ぶりのマイナス。新型車「デリカミニ」が高い人気を集めており、国内生産を支えた。ただ、台風10号の影響で水島製作所(岡山県倉敷市)の稼働を停止した他、輸出が同4.8%減と3カ月ぶりのマイナスだった。
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