日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」の概要を発表した。
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは2024年10月2日、東京都内で記者会見を開き、両者が主催する「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(同年11月5〜10日、東京ビッグサイト)の概要を発表した。
JIMTOF 2024の出展規模は9月30日時点で1262社、5743小間となり、前回のJIMTOF 2022の1087社、5618小間を上回り過去最大規模となっている。日本最大級のB2B展示会となっており、40社以上が世界初披露の製品を出展する予定だ。
直接出展では国内が793社、5220小間、海外からはドイツやイタリア、中国、韓国など19カ国、地域の230社、523小間が出展する。コロナ禍の水際対策が撤廃された中国や台湾、韓国からの出展社数が伸びており、海外からの出展社数は前回の3倍、小間数では同2倍に拡大し、こちらも過去最大となった。その他、直接出展者と共同で製品、サービスを展示し、従業員も常駐する共同出展が176社、直接出展者と共同で製品、サービスは展示するが従業員は常駐しない内部出展が63社となっている。
日本工作機械工業会 専務理事の柚原一夫氏は「JIMTOF 2022でも見られた、デジタル技術による稼働監視や予防保全、周辺機器と融合した工程集約や省人化がさらに進化し、機械をつないだ生産システム全体の効率化、最適化に向けたソリューションが展示されると期待されている」と語る。
南展示棟で特別併催展として実施される「Additive Manufacturing(AM、積層造形)Area in JIMTOF 2024」には53社、192小間が出展する。経済産業省およびNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業「次世代型産業用3Dプリンタ技術開発」で世界最高水準の造形速度、精度を有する金属/砂型3Dプリンタの実用化、社会実装の実施例を展示する他、NEDOの「積層造形部品開発の効率化のための基盤技術開発」事業で金属用PBF(粉末床溶融結合)方式の欠陥発生予測および高度モニタリングフィードバック制御システムの成果も展示する。
全体の来場者は前回を上回る13万人、海外からは1万3000人を見込んでいる。
JIMTOF 2024では全体の回遊性を高め、来場者が均一に視察できるよう時差開場を実施する。西、南展示棟は午前9時に開場し、午後5時に閉場。東展示棟は午前10時に開場し、午後6時に閉場する。
11月5日の基調講演では、THK 代表取締役会長 CEOの寺町彰博氏が「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」という演題で、元日産自動車で現在はSN DESIGN PLATFORM 代表取締役 CEOの中村史郎氏とともに、THK独自のEVプロトタイプ「LSR-05」の開発に至った道のりや今後の展望を語る。
11月6日の特別講演では、トヨタ自動車 Executive Fellowの河合満氏が「ものづくりは人づくり」と題して、モノづくりにおける人材育成の大切さを語る。11月8日の特別講演では、前田建設工業 執行役員 ICI総合センター長の岩坂照之氏が、「前田建設ファンタジー営業部における異業種共創の具体例」について紹介する。ファンタジー営業部とはアニメや漫画、ゲームといった空想世界に存在する構造物を、前田建設が現在の技術力、材料で建設するとしたらどうなるのかを真剣に検討する部署だ。これまでにマジンガーZの格納庫、銀河鉄道999の高架橋などに取り組んでいる。共創相手のJSOLエンジニアリングのメンバーとともにマネジメント手法について語る。
南展示棟の4ホールには学生向けのエリアとしてACADEMIC AREAを開設する。出展企業の総務、人事担当者と面談可能なするキャリアマッチングスクエア、THK独自開発のEVプロトタイムや、汎用旋盤やCAMシミュレーターによるモノづくり体験などを紹介する企画展示などで構成される。由紀精密の製品開発に工作機械メーカーがどのように関わったかを映像ドキュメンタリー形式で伝える展示も行われる。
2024年6月に開設したYouTubeチャンネル「JIMTOF INSIGHTS」やFacebook、X(旧Twitter)なども駆使して情報発信を続けていく。「多くの方にご来場いただくため、情報発信の強化と最新技術に触れる機会の創出、また、モノづくり業界発展の一助となるようなさまざまなな取り組みを進めている」(東京ビッグサイト 代表取締役 常務取締役の岩瀬和春氏)。
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