ごみに混入したリチウムイオン電池の検出システム、実証実験スタートリサイクルニュース

PFUは、IHI検査計測と共同開発中のリチウムイオン電池検知システムの実用化に向けて、町田市と連携し、町田市バイオエネルギーセンターで、搬入不適ごみ検出に関する実証実験を実施する。

» 2024年09月04日 08時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 PFUは2024年9月3日、IHI検査計測と共同開発中のリチウムイオン電池検知システムの実用化に向けて、町田市と連携し、町田市バイオエネルギーセンターで、搬入不適ごみ検出に関する実証実験(実施期間:2024年9月9〜12日)を実施すると発表した。【訂正あり】

不燃性ごみに混入したリチウムイオン電池搭載製品の種類や数量などを調査

 近年、リチウムイオン電池を使用した製品が増加しており、リチウムイオン電池は不燃ごみや粗大ごみ、プラスチックごみなどとして、不適切に廃棄されるケースがある。廃棄物処理施設では、廃棄物を処理する過程で不適切に排出されたリチウムイオン電池が原因で発火や火災が多数発生しており、社会課題となっている。

 これらの事故を防ぐために、PFUとIHI検査計測はリチウムイオン電池検知システムの共同開発を進めている。同システムは、リチウムイオン電池の検知に特化したAI(人工知能)エンジンを備えていることに加え、不燃ごみ、プラスチック、小型家電など、さまざまなごみラインに対応可能だ。

リチウムイオン電池検知システムのイメージ リチウムイオン電池検知システムのイメージ[クリックで拡大] 出所:PFU

 今回の実証実験では、X線検査センサーと廃棄物分別特化AIエンジンを活用した、同システムのリチウムイオン電池検知技術と有効性に関する検証を実施する。

 具体的には、リチウムイオン電池混入の実態調査として、不燃性ごみに混入したリチウムイオン電池搭載製品の種類、数量、重量などを調査。リチウムイオン電池の検知認識率や有効性評価として、同システムの検知精度を評価し、不適ごみ検知後の除去作業など、運用含めた有効性の評価を行う他、搬入ごみの種類、形態、処理量や、防水/防じんなどの環境条件下でも調査を実施する。

旧リサイクル広場まちだ 旧リサイクル広場まちだ 出所:PFU

 実証実験の場所は、東京都町田市の町田市バイオエネルギーセンターに隣接する旧リサイクル広場まちだとなる。今回の実証実験は、町田市を通じて環境省や東京都と情報の共有を図り、連携して進めていく。

【訂正】神奈川県町田市と記載していましたが正しくは東京都町田市です。お詫びして訂正いたします。

 各者の役割に関して、町田市は実験場所の提供と燃やせないごみの移送を、町田ハイトラストは町田市バイオエネルギーセンターの施設運営や電池などを取り除く作業性検証の協力を、PFUは検知システム、AI設計、検証作業全般を、IHI検査計測は検知装置の設計と製造、検証作業の全般を担う。

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