ベッコフはまた、同社の浮遊型リニア搬送システム「XPlanar」についても、回転しながら移動するという新機能のデモを初公開していた。
Xplanarはコイルを内蔵したタイルと、永久磁石を内蔵した可動子で構成されたシステムで、電源を入れることでタイル上部に磁界を生成し、可動子を浮遊させて搬送を行う。可動子はX、Y、Z軸(Z軸方向は最大5mmまで)およびA、B、C軸(各±5度)の6軸を制御できる。非接触のため部品の摩耗がなく、粉じんも起こらないといったメリットがある。
Xplanar自体は既に多くの実績がある製品だ。今回初公開した機能は、このXplanarが高速で回転しながら自由に移動できるようになったというもの。これによって薬品などの攪拌(かくはん)をしながらの搬送が可能となり、高効率化などが図れるとしている。
川野氏は、「例えば薬品の攪拌工程では従来、試薬を入れたフラスコなどを攪拌機まで搬送し、攪拌後は、また別のところに搬送するという工程が必要だった。Xplanarの新機能があれば攪拌しながら搬送が可能となり、撹拌機が不要になると同時に、効率低下につながる加減速の機会も減らせる」と説明した。また、同機能はコントローラーのドライバーをアップデートするだけで実現可能といい、「こうした機能をちょっとしたアップデートで無料で享受できるというのが当社のPC制御アーキテクチャの最大の特長だ」と強調していた。
この他、会場では、同社が用意したファウンデーションモデル(基盤モデル)によって、データサイエンティスト不要で外観検査のAIアプリケーション作成を可能にするという「TwinCAT Machine Learning Creator」や、PLC言語の開発環境にChatGPTを組み込んだ「TwinCAT Chat」のデモも公開していた。TwinCAT Chatは2023年のハノーバーメッセでも公開していたが、今回は同社のサンプルコードやマニュアル、仕様書などを正規のデータで学習させることで正式リリースに近づいたと説明していた。
ベッコフの機能モジュールで制御盤レスの自動化システムを実現
舞台が宇宙の作品も登場、高校生からベテランまで空飛ぶじゅうたん活用案集結
リニア搬送装置同士が高速同期制御、加減速ない止まらない設備で生産性向上
ハノーバーメッセが開幕、AIや水素など「競争力ある持続可能な産業」の最新技術
TwinCAT×ROSで何ができる? ベッコフのロボットモジュールが日本初上陸
ベッコフが制御盤をモジュール構造化、EtherCAT P対応カメラシステムも投入へ
ベッコフが編み出したロボットモジュール、既製品では困難な自動化領域に対応Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク