Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション)は「IIFES 2024」の会場内において、「XPlanarアイデアソン2023」の最終発表会を開催し、最優秀賞など各賞を発表した。
Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション)は2024年2月2日、「IIFES 2024」(同年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)の会場内において、「XPlanarアイデアソン2023」の最終発表会を開催し、最優秀賞など各賞を発表した。
同社のリニア搬送システムであるXPlanarは、平面タイル上に発生させた電磁場を変化させることで永久磁石を搭載した可動子を浮遊させ対象物を搬送することができる。非接触で搬送できるため、摩耗や劣化がなくメンテナンス性が高い。
次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)とともに開催した今回のアイデアソンは、このXPlanarの活用アイデアを求めるもので、2023年8月に開催を発表した。個人や団体、法人、学生も応募でき、実装の可否は問わない。同年9月には説明会を開き、その後、1次審査を経て、6作品が最終発表会に進んだ。
最優秀賞には、XPlanarを活用して文字などを表示する壁型のパブリックアートを提案したGK京都の「Moving Letter Lights」が輝いた。高い完成度と芸術的な価値かつXPlanarの特徴も生かしている点などが評価された。「アイデアがこういった形で評価されてうれしい。実際に動く姿を見たいので、ぜひ実物を作ってみたい」(GK京都)。
Scramble賞には宇宙における無重量下での移動システムを提案したFRC ロボットチーム HIBANA TECHNOLOGYの「XPlanar Shoes-無重力への挑戦-」と、XPlanarを使ってガラスペンなどでの筆記中に起こるインク垂れを減らすHUNDOSHI WORKSの「NEVER DROPPING」が選ばれた。
その他、PCR検査前の検体チューブへの分注にXPlanarを用いる椿本チエインの「自動分注装置 ラボ・アラジン」が工程などの時間短縮に貢献する「時短賞」に、フードコートでの料理や使用済食器の運搬に活用する大森機械工業の「次世代型フードコート提案」が小型化への寄与に貢献する「省スペース賞」に、トーチの「XPlanarとロボットアームによる研究開発の自動化」がコスト削減への寄与を評価した「コストパフォーマンス賞」に、「XPlanar Shoes-無重力への挑戦-」は省エネ賞、「Moving Letter Lights」は芸術賞も同時受賞している。
Scramble 代表理事で大阪大学大学院基礎工学研究科 助教の川節拓実氏は「すぐ実用化に結び付きそうな手堅いアイデアから宇宙空間での利用を提案するような驚くアイデアまで、多様なアイデアの応募をいただき審査員としても大変楽しませていただきました。XPlanarのような新たな技術を目の前にしたとき、多様なバックグラウンドを持つ人々が集い議論することで、普段の視野を超えた革新的な発想にたどり着くことができるのではないでしょうか」と語る。
ベッコフオートメーション 日本法人 代表取締役社長の川野俊充氏は「どれだけの応募があるのか分からなかった中、高校生からベテランの技術者までアイデアを練って出してくれた。受賞を逃した作品にも素晴らしいアイデアがたくさんあり、全てを紹介できないのが残念だが、『自由な発想でアイデアを巡らせることが楽しくて仕方がなかった』という入賞者のコメントが主催者冥利に尽きる。これからもいろんな技術、テーマを使って継続していきたい」と話す。
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